足の浮腫が気になる方へ《番外編》
こんにちは。
フィジカルトレーナーの大森と申します。
夕方になると足がパンパンになっている
朝、パンプスを履くときつい
長時間同じ体制で移動していると足が浮腫んでくる
このような状態の人は多いのではないでしょうか。
浮腫みにはいろいろな原因がありますが、数回に分けて私のコラムで運動で改善・予防ができる方法をお伝えしています。
以下の原因で起こる浮腫みについては、運動をおこなうことで効果が期待できます。
〇血液循環不良
〇筋ポンプ作用の低下
〇心機能の低下
前回のコラムでは筋ポンプ作用の低下についてお伝えしました。
前回のコラムはこちら。
下肢の筋ポンプ作用の低下と下半身太りの関係性
さて、今回のコラムでは番外編として下肢の筋ポンプ作用の低下と下半身太りについてお伝えしていきます。
まず最初に考えていかなくてはいけないことは、なぜ下肢(下半身)の筋ポンプ作用の低下や下半身太りが起きているかです。
とくに下半身太りの人は、下半身に筋肉がつきすぎていると表現しますが、実はそんなことはあまりないのです。
重たい負荷をかけてスクワットをして、プロテインを欠かさず飲んでも、なかなか筋肉はつかないのに、日常生活でそんなに筋肉ってつくでしょうか?
じゃあ筋ポンプ作用の低下や下半身太りが起こる原因はなんなんだろう…
その大きな原因は…
ちゃんと動いてないからです!!笑
主な原因としては以下が挙げられます。
距骨の前方変移による足関節背屈制限
足関節背屈制限による膝過伸展
膝過伸展による股関節伸展制限
難しく書くとこんな感じです。
難しいからといって読むのやめちゃだめですよ。
ここからきっと役に立ちますから。
距骨の前方変移による足関節背屈制限
足首の動きとしては底屈(床に向かって伸びる)状態のとき、足首の中の「距骨」という骨が前方に押し出されます。
また足首が背屈(脛の方向に曲がる)するときには距骨が後方へ押し込まれます。
この機能がヒールなどを長時間履いていることで、「距骨」が前方に押し出されたままになり、後方にうまく押し込まれにくくなってしまっている人がいます。
そうなることでいつもふくらはぎの筋肉を使い続けている状態となり、ふくらはぎの筋肉がパンパンに張っている状態になるのです。
この状態では筋肉は常に縮んでいる状態になるので、ポンプ作用も働きにくいし、逞しいふくらはぎになってしまいますよね。
足関節背屈制限による膝過伸展
足関節の背屈(脛に向かって曲がる)制限があると、歩行などの日常生活の中で膝の過伸展(伸びすぎ)が起こります。
反張膝とも呼ばれますが、肘では反張肘(猿手)と呼ばれます。
この状態での生活が続くと、膝の使い過ぎが起き、膝を痛めてしまうことがあります。
地面からの反力が、いつも膝から逃げてしまうため、下肢全体をうまく使うことができず、筋ポンプ作用の低下や下肢の柔軟性の低下が起こります。
膝過伸展による股関節伸展制限
本来は床の反力を足首で受け止め、膝をスムーズに通過し、股関節でうまく分散、推進力に変えながら行動します。
しかし、膝の動き過ぎが起こると、膝から力が抜けてしまい、うまく股関節まで力が伝わらなくなります。
その状態で動き続けると、股関節は十分に動かず、周辺が凝り固まった状態になりやすくなります。
そもそも股関節周辺には下肢へ流れる血管やリンパの付け根になるので、
周辺が凝り固まった状態では循環不良にもなりやすくなるため、下半身太りの原因にもなります。
このような状態が続いていては、着圧ストッキングなどを履いていても、浮腫みや下半身太りの改善には近づかないですよね。
上記の3つのことから考えると、足関節でしっかりと地面を捉え、股関節をスムーズに動かし続けることは浮腫みや下半身太りの改善にはとても重要になることはもうお分かりですね。
筋ポンプ作用改善トレーニングプログラム
下半身
〇スクワット
〇ヒップリフト(ヒップスラスト)
〇サイドランジ
〇フロントランジ
〇カーフレイズ
〇トゥレイズ
上半身
〇ローイング
〇プルオーバー
有酸素運動
バイク15分
ストレッチ
特に足関節、股関節、胸周りを重点的に実施
強度
少しキツさを感じる程度
回数・セット
10~15回×2~3セット
※バイクは1セット
頻度
週2~3回
上記の頻度で少しずつ運動に慣れてくれば、1ヶ月ほどで変化は出てきます。
その後の強度、頻度は、また調整が必要です。
もう夏はすぐそこです。
張り切っていきましょう!
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大森 大
Jrアスリート、アスリート専門トレー二ング&コンディショニングジム「SOSアスリートラボ」代表。横須賀市を中心に「諦めるか、挑むか。その選択があなたの人生を決める。」を理念に活動し、Jrアスリート・アスリートの障害の予防と競技力向上に努めている。