最近、健康診断で血圧が高めと言われた方へ(3/4)
こんにちは。フィジカルトレーナーの大森大です。
前回までのコラムで高血圧の方に、お伝えしている生活習慣を見直して欲しい内容は以下の3つでしたね。
①食事:塩分を減らす
②睡眠:睡眠負債を抱えないようにすることで自律神経を安定させる
③運動:定期的に体を動かし、自律神経の安定と血流循環の向上、エネルギー消費を増加させる
前回のコラムでは①についてお伝えしました。
前回コラム>>>「最近、健康診断で血圧が高めと言われた方へ(2/4)」
さて今回のコラムでは②の睡眠負債を抱えないようすることで自律神経を安定させることに着目していきます。
睡眠負債を抱えないようにすることで自律神経を安定させる
高血圧については前述の通り、AGTのリスクの把握は重要でした。
今回着目する、睡眠についてはOPN4やPER3の影響も考慮していきましょう。
さてそもそも血圧と自律神経の影響についてですが、若者の貧血(立ち眩み)や高齢者の一時的な高血圧の症状は、寝不足の時などに多く発生しています。
人間の体は自律神経の交感神経と副交感神経が常にバランスを取って体を調整しています。
しかし、寝不足のような症状が続くとその体内バランスを不調にさせる原因となります。
通常は体が動くときに交感神経が優位になり、身体が休む時に副交感神経が優位になります。
しかし、寝不足などで自律神経のバランスが崩れると、
身体を休めるはずのタイミングで体が興奮したり、身体を興奮させたいタイミングでリラックス(怠いような感じ)してしまうこともあります。
そのバランスの崩れが立ち眩みや、めまいのような症状として現れてくる場合もあります。
それだけ睡眠というのはとても重要ですね。
さて長くなりましたが、今回のコラムでは心地よい睡眠の入り方について解説します。
前述の通り、
①OPN4は光の影響で体内時計が崩れやすいリスクを持っている
②PER3は体内時計が崩れやすいリスクを持っている
でしたね。
①の方は光の影響を受けやすい体質ですから、就寝前のスマホやテレビはかえって体を興奮させて寝つきを悪くする恐れがあります。
②の方は体内時計が崩れやすい体質ですから、規則正しい生活をすることが重要ですね。
ここでいったん整理すると…
光を浴びる=目が覚める=交感神経が優位になる=興奮する
暗くなる=眠くなる=副交感神経が優位になる=リラックスする
これが基本です。
人間の身体の構造的に、興奮を一瞬で起こすことはできますが、リラックスを一瞬で行うことは難しいです。
眠たいときに、ドキッっとすると一気に目が覚めることがあるのが証拠です笑。
つまり、一度体を興奮させてしまうとリラックスするまでには時間がかかるということは、ぜひ覚えておいてくださいね。
①OPN4にリスクがある人ができる対策
①の方は就寝前に光を浴びてしまうと、興奮した体がリラックスしにくく、寝入りが悪くなったり、浅い眠りになりやすくなります。
どうしても、寝る前ぎりぎりまで、スマホやテレビを見なくてはいけない状況があるのであれば、
いまはやりのブルーライトをカットする眼鏡やシートをはることもおすすめです。
あと時間の短縮も重要ですね。
ちなみに、時差ボケを直す方法として推奨されているのは、朝起きて日の光を浴びて、体内時計を整えることです。
②PER3にリスクがある人ができる対策
②の方の体内時計を安定させるためには、まずは寝る時間を決めることは重要です。
あとは人が眠りに入りやすい状況を作り出すこともおすすめです。
睡眠に入るときの身体のリズムは、体温が一度上がってから、落ち始めているときに眠りに入りやすいというデータがあります。
ですから、入浴後一定時間経過後に就寝するリズムを作ると、体内時計や、寝入りに良い影響を与えると考えられますので試してくださいね。
ただ注意したいのは以下です。
熱いお風呂は体がかえって興奮します。
また体温よりも低すぎる温度も身体は興奮します。
そして水分が不足しても身体は興奮します。
お風呂の温度調整や、長風呂による水分不足にも注意は必要ですね。
今回のコラムのポイント
血圧を安定させるためには自律神経を整えることが重要
自律神経の安定には質のよい睡眠が重要
質の良い睡眠を取るためには、体内時計を整えることが重要
次のコラムへ>>>「最近、健康診断で血圧が高めと言われた方へ(4/4)」

大森 大
Jrアスリート、アスリート専門トレー二ング&コンディショニングジム「SOSアスリートラボ」代表。横須賀市を中心に「諦めるか、挑むか。その選択があなたの人生を決める。」を理念に活動し、Jrアスリート・アスリートの障害の予防と競技力向上に努めている。