目の機能回復や疲労緩和を助ける栄養素
こんにちは。管理栄養士の藤井佳寿美です。
イデンシルの遺伝子分析では光の感受性について自身の体質を確認できます。
VDT作業(パソコンなどのディスプレイ機器を用いた作業)が多い方やスマホなど見る時間が長くなり目の不調を訴える方々は年齢層を広げて増えています。
前回に引き続き目の働きを助けてくれる栄養素についてご紹介したいと思います。
>>>「目が疲れていませんか?(1/2)」
>>>「目が疲れていませんか?(2/2)」
ビタミンA(βーカロテン)
ビタミンAの主要成分であるレチノールは目の粘膜を健康に保つ働きがあります。
目の網膜にある光や色を感じるロドプシンを生成し目の疲れや乾燥を防ぐ働きもしてくれるので、ドライアイなどの目の乾燥にはビタミンAが効果的です。
ビタミンAが不足すると明るい場所から突然暗い場所に移ったときに目がなかなか暗さに慣れず物が見えにくくなる夜盲症を引き起こすことがあります。
ビタミンA(βーカロテン)を含む食材
- レバー
- 赤身の肉
- 魚、うなぎ
- 卵黄
- 緑黄色野菜(にんじん、モロヘイヤなど)
ルテイン
カロテノイドと呼ばれる色素の一種。
体内で合成することができないため、食事で補わなければいけない成分です。
特に目の水晶体や網膜の黄斑部と呼ばれるところに分布しています。
紫外線やパソコンやスマートフォンなどのディスプレイから発生するブルーライトなどの特定の光を吸収して網膜細胞を守る働きや、白内障等の眼病リスクを減少させる働きをします。
ルテインを含む食材
- とうもろこし
- 卵黄
- 緑黄色野菜(ほうれん草、ブロッコリーなど)
ルテインを効率よく摂るには
緑黄色野菜に含まれるβーカロテンやルテインは油脂に溶け込むことで体内に吸収しやすくなります。
油脂を使用した調理法にしたり、煮物やスープにする場合は先に軽く油で炒めてから煮ると効率良く摂取できます。
ビタミンB1
目の疲れを引き起こす目の周りの筋肉の疲れをやわらげることで視神経の働きを高めて疲れ目の改善を促し視力の低下を防ぎます。
飲酒によっても消耗しやすいので注意しましょう
ビタミンB1を含む食材
- 豚肉
- うなぎ
- 豆類
ビタミンB2
網膜の働きを助けて目の充血解消や目の機能維持に役立ちます。
ビタミンB2を含む食材
- レバー
- 牛乳
- 卵
- ウナギ
- 納豆
ビタミンB12
細胞の増殖を助けるとともに、視神経の働きを正常に保ちます。
ビタミンB12を含む食材
- レバー
- アサリ
- さんま
- すじこ
ビタミンE
全身の血行を良くして目の充血を防ぎます。
ビタミンEを含む食材
- アーモンド
- コーン油
- いくら
- オイル漬けツナ
- たらこ
ビタミンC
疲れ目や目の充血を防ぎ、目の働きに重要な役割を果たすコラーゲンの生成を助けてくれます。
ビタミンCを含む食材
- 柑橘類
- じゃがいも
- さつまいも
- 緑黄色野菜
コラーゲン
目のレンズとなる水晶体や角膜はコラーゲンを主な材料として作られています。
層のような状態の結晶体なので、この部分のコラーゲンが減少すればかすみ目などの症状として現れる場合があります。
コラーゲンをしっかりと補う事でかすみ目、疲れ目などの目のトラブルから予防してくれます。
コラーゲンを含む食材
- 鶏手羽
- 魚のアラ
- 牛すじ
- 豚骨など
携帯を見過ぎたりパソコン作業などのVDT作業が多くなる場合は、意識して1時間ごとに目を休める時間を設けたり、目の周りのツボを刺激して筋肉をほぐしましょう。
また、度数が合わない眼鏡を使用していると眼精疲労の原因となりますので、すぐに作り変えることをおすすめします。
蒸しタオルを当てて目の周辺の血行をよくする事も有効です。
日頃から十分な睡眠を取り、目の働きを助けるこれらの栄養素を食事からバランス良く摂取する事を心掛けてみてくださいね。
【参考文献】
中嶋 洋子(監修)『栄養の教科書』新星出版社

藤井佳寿美
管理栄養士、フードコーディネーター、野菜ソムリエ、食育マイスター。 管理栄養士として現場業務や栄養カウンセリング業務に従事。 食への関心を高める体験型食育ワークショップ『TABERU×ASOBU〜タベルトアソブ〜』を主宰。 クライアントに合わせた効率の良い食事摂取方法やレシピ提案など実践しやすいアドバイスを心掛けています。