IDENSIL管理栄養士 根岸

  • 遺伝子活用

#108 遺伝子検査は“売る”ものではない?―ヘルスケア支援で重要な「活用」の考え方

【この記事の3行まとめ】

・遺伝子検査は「販売すること」ではなく、「支援に活かすこと」に価値がある

・検査結果だけでは行動変容につながりにくく、専門家による伴走支援が重要

・個別最適化されたヘルスケアを実現するための“活用方法”が求められている


 

皆さんこんにちは。

株式会社グリスタ 管理栄養士の根岸です。

今回は、「遺伝子検査を“ヘルスケア支援に活かす”考え方」をテーマにお送りします。

 

皆さんは、フィットネスジムやエステサロン、整体院などで

「遺伝子検査」を取り扱うケースを見たことがありますでしょうか。

ヘルスケア事業者さんの中にも、実際に導入を検討されたことがある方がいるかもしれません。

入会特典として遺伝子検査キットをプレゼントしたり、

オプションメニューとして遺伝子検査を提供したりと、さまざまな形で販売されています。

しかし、本当に大切なのは“遺伝子検査を販売すること”ではなく、その情報を“どう支援に活かすか”です。

今回は、ヘルスケア現場における遺伝子検査の本来の役割について考えてみます。

 

遺伝子検査だけでは、人は変わらない

遺伝子検査では、生まれ持った体質傾向を知ることができます。

たとえば、

  • 筋肉の特性
  • 睡眠リズム
  • 代謝酵素の影響

など、個人の“ベース情報”を把握することが可能です。

 

ただし、ここで注意したいのは、遺伝子情報だけで全てが決まるわけではないということです。

同じ遺伝的傾向を持っていても、

  • 生活習慣
  • 睡眠
  • 食事内容
  • 運動歴
  • 年齢

などによって、実際の身体状態は大きく変わります。

 

目指す方向性によっても、参考にする情報の見方は違ってきますよね。

つまり、遺伝子情報は“答え”ではなく、“支援のヒントとなりうる情報”のひとつなのです。

 

情報だけでは「だから何?」になりやすい

実際、エンドユーザーが遺伝子検査の結果を受け取ったとしても、

「結局どうすればいいの?」

「自分には何が合っているの?」

「普段の生活で何を変えればいいの?」

と感じてしまうでしょう。

 

情報を渡されるだけでは、実際の行動にはつながりにくいですよね。

重要なのは、「検査結果を渡すこと・伝えること」ではなく、

その人の目的に合わせて“どう支援するか”まで活用することです。

 

お客様は「遺伝子検査」を受けに来ているわけではない

たとえば、ジムに来る方の多くは、

  • 痩せたい
  • 健康になりたい
  • 筋肉をつけたい
  • 体力をつけたい

といった目的を持っています。

つまり、エンドユーザーが求めているのは“検査そのもの”ではなく、

理想の状態に近づくこと”です。

 

そんな中で、遺伝子検査だけを単品販売しても、お客様の目的は叶えられないですよね。

検査結果を渡して終わりでは、「受けて終わりのサービス」になってしまいますし、

そもそも興味を持ってもらえないと思います。

 

本来の価値は「支援の質を高めること」にある

遺伝子情報の本当の価値は、トレーナーや専門家が“支援を個別最適化するための材料”になることです。

たとえばジムであれば、

  • トレーニングの組み方
  • 食事指導
  • モチベーション管理
  • 継続しやすい習慣設計

などを考える際に、遺伝子情報を“参考情報のひとつ”として活用できます。

 

もちろん、遺伝子情報だけで判断するわけではありません。

現在の身体状態や生活背景、本人の目標など、

さまざまな情報を踏まえたうえで支援に落とし込むことが重要です。

だからこそ、遺伝子検査は単体で完結する商品ではなく、

継続支援の中で活きる情報」として扱うべきなのです。

 

「売る」から「活かす」へ

ヘルスケア業界において、これから求められるのは、「情報を支援に活かせること」です。

検査結果をどう解釈し、どう行動につなげるか。

その橋渡し役として、専門家の存在価値はますます高まっていきます。

 

個別最適化されたヘルスケアが注目される今だからこそ、

遺伝子検査は“単なる商品”ではなく、“より良い支援を実現するためのツール”として

活用されるべきではないでしょうか。

 

 

今日のIDENSIL情報局は以上です。

最後までお読みいただきありがとうございました。

株式会社グリスタは個別化ヘルスケアに特化した遺伝子分析サービス「IDENSIL(イデンシル)」の開発メーカーです。

お問い合わせはお気軽にどうぞ!

 

 

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IDENSIL管理栄養士 根岸

IDENSIL(株式会社グリスタ)に所属している管理栄養士の根岸です。 遺伝子活用と栄養に関する情報をお伝えしていきます。 ※IDENSILは、健康な方を対象に遺伝的傾向を把握するためのヘルスケアツールであり、医療的な診断・治療を目的とするものではありません。本コラムでも医療用の遺伝子検査ではなく、ヘルスケア分野での利活用に限定して紹介しています。

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