株式会社グリスタ 代表取締役 斎藤 利

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#18 遺伝子検査ダイエットはもう古い?!遺伝子検査はどう活用するのが正解??

皆さんこんにちは!
2025年最初のIDENSIL情報局は、遺伝子検査とダイエットについてお伝えしたいと思います。

 

「遺伝子検査でダイエット?色々なインフルエンサーがDNA検査キットを使っているのを見るけど・・・本当に肥満に効果あるの?」そう思っていませんか?
遺伝子検査ダイエットは数年前から注目を集めており、一般の方でも手軽に購入できる時代になりましたが、そのエビデンスや効果的な活用方法について疑問を持っている方も多いと思います。
日本では、まだ法整備がなされていませんので、各事業者がどのような基準やエビデンスでサービスを提供しているのか、購入者自身が見極めることが重要です。

 

そんなこと言われても・・・と思っているあなたのために、遺伝子検査を受ける際の注意点やどのように遺伝子検査がダイエットに役立つのか?をお伝えしていきたいと思います。

 

遺伝子検査ダイエットサービスを受ける時の注意点

1. 遺伝子検査ダイエットのエビデンスを確認する

近年、パーソナルな健康管理への関心の高まりから、遺伝子検査ダイエットが注目を集めていますが、どのような研究結果からこの遺伝子検査を行えばダイエットに有効なのか?を知った上で購入している方はどのくらいいらっしゃるでしょうか。
日本ではまだ法整備がされておらず、法的な制約はありませんが、ユーザーへの必要な情報の開示等は、ガイドラインで定められています。それに則った形で提供されているのか(個人情報保護や倫理面の観点から適切に運用管理がされているか等も含め)、確認してからの購入をおすすめします。

2. 単一遺伝子検査の結果だけではなく、複数の遺伝子検査結果や要因を複合的に評価するのが◎

遺伝子検査は、唾液や血液等から遺伝子型を調べて、エビデンスをもとに体質を予測する、というサービスです。しかし、遺伝子検査ダイエットのエビデンスについては、まだ十分に確立されていない部分もあります。単一の遺伝子型だけでダイエット効果を予測することは難しく、複数の遺伝子や生活習慣、環境要因などを複合的に評価する必要があるからです。特定の遺伝子検査結果が肥満に対してリスクがあるという結果が出ても、必ずしも肥満になるわけではなく、あくまでリスクが高まる「かもしれない(可能性がある)」という点において注意が必要です。関係省庁や医師会などからも、そのような注意喚起を促しており、科学的根拠が不十分な場合があると指摘している方もいます。

 

以上のように、ダイエットに関する遺伝子検査は、あくまでダイエットをサポートする一つのツールと捉えることが重要です。

 

私たちグリスタがよく表現するのは、遺伝子検査の結果は、体組成計や体重計の数字と同じように、ひとつの「指針」として扱って頂きたい、ということです。言うまでもありませんが、ダイエットを成功させるためには、まず食べ過ぎていないか?偏ったバランスの食事を摂っていないか?睡眠は足りているか?運動はしているか??など生活習慣の現状分析をして、改善すべきポイントを洗い出し、栄養バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠など、健康的な生活習慣を心がけることが大切です。
それに自分の客観的な情報(=体重や体脂肪率、遺伝子検査結果など)を加えることで、より目標が明確になり、効率的なダイエットに活用して頂けると考えています。体重や体脂肪率と遺伝子情報の性質が違うと感じるのは、「基本的には生涯変わらない自分の体質情報」というところでしょうか。とにかく、ダイエットには遺伝的要因と環境要因、どちらも大切ということですね。

 

またこれらを実現するために、遺伝子検査の結果を理解している「身体の専門家」からのトレーニングや食事指導などの適切なサービスを受けることがとても重要です。

 

なぜなら、遺伝子検査のもとになる研究では、身体の仕組みの中でもかなりピンポイントな部分(例えば、ミトコンドリアや炎症性サイトカイン、ホルモン、エストロゲン、ヘモグロビン等)の働きにおける内容が多いため、ドクターやトレーナー、理学療法士や管理栄養士など、身体の専門家でないとその対処方法がわからないからです(ご自分でものすごく勉強なさっている方は別ですが)。ミトコンドリアの働きが鈍かったら何をしたら良いのか?目標に対して、どんなことが効果的なのか??を聞かれてすぐに答えられる一般の方は珍しいですよね。

 

遺伝子検査サービスを利用する際には、各社のウェブサイトなどで詳細な情報を確認し、遺伝子検査だけでなく、結果をもとにどのくらいのフォローやサービスが付帯しているのか、またそのサービスが自分に合っているか?を基準に選ぶようにしましょう。

 

 

今日のIDENSIL情報局は以上です。
最後までお読み頂きありがとうございました。

 

株式会社グリスタは個別化ヘルスケアに特化した遺伝子分析サービス「IDENSIL」の開発メーカーです。お問い合わせはお気軽にどうぞ!

株式会社グリスタ 代表取締役 斎藤 利

株式会社グリスタ 代表取締役 斎藤 利

1979年生まれ/和歌山県出身/工学修士学生時代は竜巻のメカニズムを研究。2010年バレーボール個人指導スクール設立をきっかけに、個人の体質によるパフォーマンス影響に着目。2015年より遺伝子業界へ。2018年、日本で初めて専門事業者の指導やヘルスケアソリューションを個別化することに特化した業務用遺伝子分析サービス「IDENSIL」を開発・リリース。内閣官房が進めるレジリエンスジャパン推進協議会のWG委員選出や自治体との連携、日本を代表するトップアスリートの指導者への遺伝子情報提供を通じ、ヘルスケアから美容まで幅広い個別化に携わっている。

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