株式会社グリスタ 代表取締役 斎藤 利

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#13 治療院×遺伝子検査のマーケティング戦略

こんにちは、株式会社グリスタの斎藤です。

ここ最近、治療院での遺伝子検査導入による個別化ヘルスケアサービス提供の流れが増えつつあります。
柔道整復師や鍼灸師などの国家資格保有の専門家により保険適用の治療をはじめ、コリや痛みを改善させるようなイメージが強い治療院で、どのような体質情報の活用が進んでいるのでしょうか。

 

当社は様々なジャンルのヘルスケア事業者さんの個別化プログラム用オリジナル遺伝子キットの開発をお手伝いしていますが、単に作るだけではなく、マーケティング分析からプロモーション戦略まで一貫してお手伝いしています。

今回は全国で5万店舗あるとも言われている治療院業界での個別化ヘルスケアについて、マーケティング分析〜プロモーション戦略を考えるなかで色々見えてきていることを紹介してみたいと思います。

 

先日、遺伝子検査を利活用したプログラムを開発中の治療院オーナーさんと話していましたが、周辺店舗の多さに驚きました。

5万人ほどの市にある治療院さんでしたが、町内に30店舗ほどの治療院さんがあるそうです。
全国5万店の治療院も、毎年1万店が入れ替わっているというような話も聞きました。
言われてみれば私自身の自宅周辺も治療院が非常に多く、しかも入れ替わりも激しい印象があります。

今年に入ってから今までよりかなり多くの治療院さんの個別化プログラム開発に取り組ませていただいていますが、マーケティング分析を行う度にその周辺での治療院の多さに驚きます。パーソナルジムと同じように、競争が激化している熾烈な業界だと感じます。

従来型の治療院から脱却して新しい価値創造を目指している治療院さんと話す機会が多いのですが、様々な可能性を秘めているように思います。

 

まず治療院と一言で言っても、得意領域や専門領域はそれぞれ異なっています。

スポーツ関係を強みとしている店舗、腰痛への対応を得意としている店舗など様々です。まだこのように強みを明確に打ち出せている店舗さんは良いのですが、「治療院」を強みとしているところは今後の差別化を強くしなければならないと危機感を感じているようです。

 

「治療院」を強みとしているとは、「国家資格の専門家が治療院にいます」を訴求しているケースのことを指しています。

柔道整復師や鍼灸師などの国家資格保有者が治療院を経営していることが多く、それを訴求している場合は悩みのジャンルを絞った強みの打ち出しをしているわけではなく、国家資格保有者が対応することを前面に出しています。

「強み」と「お客様の価値」がリンクしていない好例なので、まずこの2つをリンクさせないといけません。

マーケティング分析を行ってブランディング戦略も検討しますが、ここで強みの構築をしっかりやらなくてはプロモーション戦略を適切には行えません。そこで遺伝子検査の利活用が生きてきます。

柔道整復師や鍼灸師などの国家資格は、「数週間程度で気軽に取得!」みたいなものではありません。
しっかり専門知識を身につけて取得できる資格なので、それ自体を差別化にしたい気持ちもわかりますが、これは「治療院業界」ではスタートラインに立ったにすぎず、訴求ポイントになりません。

 

しかしこの専門知識に「体質情報」を掛け合わせることで、問診レベルを引き上げることが出来るようになります。そうすると「個別化プログラム」を構築していくことが可能になります。

怪我や不調の要因、傾向を事前に把握できるようになることで、施術の方針を今まで以上に精度よく提供可能になるため、寄り添った価値提供の部分で大きな差別化要因を生み出せるのです。

当社は、メーカーとしての枠組みにとらわれることなく、プログラム開発をしたい先生の考え方や方針に沿った遺伝子キット(レポート)を開発し、自社の強みを表現しやすく(伝わりやすく)して、売上やLTVの向上につなげていくことを大事にしています。

 


 

本日は以上です!
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株式会社グリスタ 代表取締役 斎藤 利

株式会社グリスタ 代表取締役 斎藤 利

1979年生まれ/和歌山県出身/工学修士学生時代は竜巻のメカニズムを研究。2010年バレーボール個人指導スクール設立をきっかけに、個人の体質によるパフォーマンス影響に着目。2015年より遺伝子業界へ。2018年、日本で初めて専門事業者の指導やヘルスケアソリューションを個別化することに特化した業務用遺伝子分析サービス「IDENSIL」を開発・リリース。内閣官房が進めるレジリエンスジャパン推進協議会のWG委員選出や自治体との連携、日本を代表するトップアスリートの指導者への遺伝子情報提供を通じ、ヘルスケアから美容まで幅広い個別化に携わっている。

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