株式会社グリスタ 代表取締役 斎藤 利

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#14 ヘルスケア事業者が無視しがちな「外部環境」

 

こんにちは、株式会社グリスタの斎藤です。

先日、美容業界で大きなニュースがありました。
今までは多くのエステサロンで使われていた「HIFU」について、厚労省が「医療行為に該当する」旨を正式に発表しました。

参考:https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/hifu.html

聞けばこの発表で驚いた多くの事業者は、売れ筋サービスが提供できなくなり対応に追われているそうです。

ただ以前からこの指摘はされていたようで、予想されていたものでもあります。
そこに対して備えていたか否かで、経営へのインパクトも大きく違ったことでしょう。

この事例は、自社の対応や努力で解決できる「内部環境」ではなく、全くコントロール出来ない「外部環境」と呼ばれるものです。

多くのヘルスケア事業者の方と話す機会がありますが、外部環境を気にしていない事業者さんが多いことがとても気になります。逆に金融業界の方と話す方がヘルスケア関連の環境要因について詳しくキャッチアップされている、なんてことが当たり前によくあります。

先日お会いした、ある地方都市にあるスタジオ経営者さんとの会話を紹介してみたいと思います。
この後分かりやすいように、この会社さんのことを「A社」とします。
あまり詳しくは書けないので、要点をかいつまんで説明します。

【経営者の方:現状の認識】
・集客は十分出来ている
・HPからの集客がほとんど
・当社のコンセプト(特定の年齢層×性別がターゲット)から近隣他社と客層が被らない
・だからエリアのお客様はしっかり獲得出来ていると認識している
・入会したお客様がそう言っていたから間違いない
・今後は単価を上げていきたい
・多店舗展開もしたい

遺伝子検査を用い、より一層寄り添った指導・サービスが提供できるのではないかということでお問合せいただいたケースでした。

そこでA社さんが個別化ヘルスケアを導入することでどうなるか、どういう戦略が可能になるのかをご提案するために、まずは近隣店舗の調査を行ってみたところ・・・

ものの5分で件のA社経営者の方が認識違いをしていることに気づくことになりました。

どの近隣他店舗WEBサイトと見比べてみても、「年齢層×性別」の訴求に大差がなく、おそらくA社さんがターゲット層と置いている方々の多くが近隣他店舗を利用していることは容易に想像できました。

要は外部環境をよく調べていないことで、思い込みにより経営を行っているということですね。
近隣他店舗のHPはとても充実しており、集客にも力を入れていることが一目でわかるものばかりでした。モノづくり系の事業者によくありがちですが、作る努力は物凄くするのに知ってもらう努力はほとんどしない、というパターンです。

ヘルスケア事業者の多くもこれに近しいケースが存在しています。
自社HPにも、たくさんのメニューがある、ノウハウがある、スタッフが優秀、などはしっかり掲載しているのでサービスや指導内容には自信があるのでしょう。それはよく分かります。

ですがそれが「=お客様の価値」にはなりません。

また、これをHP上に載せているだけではほとんど知ってもらうことは出来ません。
なかにはチラシを刷ってレジ横に置いている(努力している)、という方も直近でいらっしゃいましたが・・・これもほぼ意味がありません。

例えるなら、
ものすごくこだわって作った壺を、山奥で展示販売しているようなものです。

外部環境から話が逸れてしまったので、これは今回の趣旨と違うこともあり説明を省きます。

上記のケースでは、近隣他店舗が集客の努力「=自社の良さを知ってもらう努力」をしているにもかかわらず、A社さんにとって経営を続けられるだけのお客様が来店していたことで「他店舗に比べて差別化出来ている」と外部環境に目を向けられていなかったことによる、A社の機会損失が多かったであろうことが推測されるという事例です。

競合他社や法律、トレンドなど、ヘルスケア事業者は外部環境にももう少し全体的にアンテナを張っておくと良いと感じる出来事を紹介しました。

 


本日は以上です!
最後までお読み頂きありがとうございました。

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株式会社グリスタ 代表取締役 斎藤 利

株式会社グリスタ 代表取締役 斎藤 利

1979年生まれ/和歌山県出身/工学修士学生時代は竜巻のメカニズムを研究。2010年バレーボール個人指導スクール設立をきっかけに、個人の体質によるパフォーマンス影響に着目。2015年より遺伝子業界へ。2018年、日本で初めて専門事業者の指導やヘルスケアソリューションを個別化することに特化した業務用遺伝子分析サービス「IDENSIL」を開発・リリース。内閣官房が進めるレジリエンスジャパン推進協議会のWG委員選出や自治体との連携、日本を代表するトップアスリートの指導者への遺伝子情報提供を通じ、ヘルスケアから美容まで幅広い個別化に携わっている。

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