サッカー選手が遺伝子検査を必要とする理由
サッカー競技に必要な体力要素とは
ボール1つあれば、世界中どこでも出来るサッカー。
ただ1つの競技としてサッカーを見ると、以前よりも、より複雑になってきているのではと感じます。一見シンプルに見えるからこそ、余計そう感じてしまうのかもしれません。
「この能力があれば、絶対に勝てる」というものもなく、サッカー競技に必要な要素はあまりに多く、自分の強みや弱みを明確にすることは本当に難しいです。(本当は自分の得意苦手が、目に見えるとトレーニングもしやすいのですが)
また個人によって、速筋・遅筋と筋肉のタイプが分けられるが、そのどちらも必要なのがサッカーという競技になる。
陸上短距離100m走や長距離フルマラソンのように動作がシンプルなものとは異なり、一般的に相反すると言われる、瞬発的要素と持久的要素を同時に、もしくは、両方を上手に使うことが求められます。
個人の能力をいかに高められるかが大切
サッカーはチームスポーツですが、『個人の成長』は必要不可欠です。
個人が成長することによって、もっと高いレベルに成長して、もっとレベルの高い環境・クラブへステップアップすることだって可能です。
しかしサッカーという競技の特性上、チームの指導者は各選手(個人)を見る機会が少なく、現状個人の成長が、その個人に任せられてしまっているのも問題なのかなと感じています。
実際私がトレーニングを教えているサッカー選手も、チームでトレーニングメニューが一応出るものの、やるかやらないかは個人の責任で、チームとしてそこまで管理していないというケースも多いです。
「自分を知る」ことが、競技力向上の近道
私の中で選手自身が成長するために一番重要なことは、『自分自身が自分を知る』だと思っています。
自分のプレイを分析して、得意なプレイを知る。
自分の得意な動作を伸ばし、苦手な動作を克服する。
自分の食事や睡眠などの生活リズムを把握して、試合当日に備える。
これが本当に一番大切なことだと思います。
そしてこの自分を知ることにおいて、大きな力になってくれるのが遺伝子検査だとも思います。
遺伝子検査の特徴は「自分自身を可視化できること」です。
サッカー選手にとって、重要である「筋線維タイプ(速筋・遅筋)」や「瞬発力」、「持久力」そして「筋肉の特性(筋損傷など)」が一目で分かるのは、トレーニング方法の見直しや怪我の対策につながります。
「もっと早くやっておけばよかった」
自分自身に後悔をしないためにも、サッカー競技に夢中の皆様に、遺伝子検査をお勧めできたらと思います。

荒井進之介
1987年、東京都生まれ。これまでサッカー、アメリカンフットボール、テニス、剣道など様々な競技のトレーナーを務め、プロテニス選手への指導や全国優勝(テニス)も経験した。現在はレアル・マドリード・ファンデーション・スクール(サッカー)にてトレーナーを務めるほか、子供から大人へのトレーニング指導、専門学校にて講師を務めるなど、幅広く活動をしている。