「食」からストレス対策を
こんにちは。栄養士の藤井佳寿美です。
高精度遺伝子分析サービス“イデンシル”では「ストレスや疲労」について自分の体質を確認できる項目があります。
ストレス社会と言われている現代においてストレスは切っても切り離せない存在ですよね。皆さんはどの様にストレス対策をしていますか?
ストレスとは
ストレスとは何らかの刺激が体に加えられた事でその原因となるストレッサー(人間関係、気温変化、細菌感染、アルコールやたばこや薬などから化学的な刺激etc…)から体を守ろうとして生じる心身のゆがみ(ストレス反応)の事をさします。
適度なストレッサーは意欲や達成感につながるので一概に悪者扱いする訳にもいけませんが、過度なストレスは自律神経の乱れに繋がり全身の倦怠感や気分の落ち込みなど、様々な不調として現れる為、付き合い方を考える必要があります。
ストレスを対処するには十分な休息は勿論の事、栄養バランスを考え神経の働きを正常に機能させる様々な成分も不足しないように食事を摂りストレスに負けない体作りをする事が大切です。
ストレスを感じないと言う人に限って実は強いストレスに晒されている場合があるとも言われています。 日々の食事からストレス対策をしてみてはいかがでしょうか?
ストレスを感じている時の食事
イライラするときには
- ビタミンB群(B1、B6、B12、葉酸など)
魚介、肉、豆など
- ビタミンC
野菜、果物など
- カルシウム
牛乳、乳製品、小魚、大豆製品など
- マグネシウム
魚介、ナッツ、野菜、海藻類、豆類など
気分が沈んで落ち込み気味な時は
- トリプトファン
牛乳、乳製品、卵、ナッツ、バナナ、大豆製品など
- DHA・EPA
青背魚、鰹、小魚など
- ビタミン・ミネラル
野菜、果物など
効果的な食べ方
野菜から食べる
ストレスによって分泌されるホルモンには血糖値を上げる作用があるため、血糖コントロールが乱れてしまいます。野菜から摂取すると糖の吸収がおだやかになり血糖値が急激に上がるのを防ぐことができるのでなるべく野菜や糖質の少ない繊維質の多い食品から摂取しましょう。
よく噛む
食事はしっかりと噛んで食べることで脳内の生理活性生物の「セロトニン」が増えてストレスホルモンが抑制されます。満腹感も得られることで満足感が得られてストレスを感じにくくなります。ストレスがたまるとどうしても早食いになりがちですが、一口につき30回程度噛む事を推奨されています。
環境作り
家族や気心が知れた仲間と一緒に食事を取ると安心感や満足感が得られます。一人の場合でも、よりリラックスして食事を楽しむ為に好きな食器に盛りつけてみたりランチョンマットを敷いてみたり環境作りを楽しんでみてはいかがでしょうか。
DAKECOOK
良質なタンパク質、カルシウムやビタミンB群がたっぷり入った『チキングラタン』やトリプトファンやフェニルアラニンの入った卵スープなどの卵料理もお食事の一品として取り込みやすいレシピです。
あまり料理をする機会のない方は、青背魚や鰹はお刺身、卵は納豆に混ぜたり卵かけご飯として、バナナ、牛乳、ナッツ類など、そのままで手軽に摂れる食材から始めてみてはいかがでしょうか?
牛乳は温めたりスープに使用するのもリラックス効果がありお勧めです。
無理なく続けられる方法で自分に合った食材を取り入れてストレス対策に役立ててみてくださいね。
【参考文献】
宗像 伸子 (監修)「からだにおいしい キッチン栄養学」高橋書店
奥平 智之「「イライラと不安」を増幅させる食生活の正体 5月病を引き起こす、「鉄欠乏」と「糖質過多」」東洋経済オンライン

藤井佳寿美
管理栄養士、フードコーディネーター、野菜ソムリエ、食育マイスター。 管理栄養士として現場業務や栄養カウンセリング業務に従事。 食への関心を高める体験型食育ワークショップ『TABERU×ASOBU〜タベルトアソブ〜』を主宰。 クライアントに合わせた効率の良い食事摂取方法やレシピ提案など実践しやすいアドバイスを心掛けています。