IDENSIL管理栄養士 根岸

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#103 運動習慣は「意志」ではなく「環境」で変わる?―行動変容を生むために必要な視点とは

【この記事の3行まとめ】

・運動習慣は「やる気」だけでなく、環境の影響を受ける可能性がある

・「やりたいのにできない」背景には、生活構造や習慣の問題があると考えられる

・行動を変えるには、個別最適化と環境設計の両方が重要


 

皆さんこんにちは。

株式会社グリスタ 管理栄養士の根岸です。

今回は、「運動習慣と環境の関係」について考えていきます。

 

日々の体調や健康を考える中で、「体を動かした方がいいのでは」と感じることはないでしょうか。

将来の健康を考えたときや、健康診断などをきっかけに、運動を始めようと考える方も多いと思います。

一方で、

・最初はやる気があったが続かなかった

・忙しくなると後回しになってしまう

・気づけばやらなくなっていた

といった経験を持つ方も少なくありません。

 

特に、仕事や家事に追われながらも健康を意識している方にとっては、

共感しやすいテーマかもしれないですね。

実際にスポーツ庁の調査(※)でも、運動を「実施している人」よりも

「実施したいと考えている人」の方が多い傾向が示されています。

このことからも、多くの人が「やる気がない」のではなく、

「やりたいけれど実行できていない」状態にあると考えられます。

 

働く世代ほど“できない理由”が増える

特に、20代〜50代の働く世代では、運動習慣が定着しにくい傾向が見られています。

この背景には、

・仕事による時間的制約

・家事や育児などの役割

・生活リズムの不規則さ

といった要因が関係していると考えられます。

例えば、

「仕事の終業時間が不規則」

「帰宅後は家事や食事で時間が取れない」

といった状況では、運動を優先しづらいのも自然な流れです。

そのため、「時間がない」という感覚は、意識の問題だけではなく、

生活構造による影響も大きいと考えられます。

続く人と続かない人の違いはどこにあるのか

では、運動が続く人と続かない人の違いはどこにあるのでしょうか。

一つの視点として考えられるのが、環境や習慣の違いです。

 

例えば、運動が続きやすい人は、

・日常の中に自然と体を動かす機会がある

・無理のない内容から始めている

・運動が特別なものではなく生活の一部になっている

といった特徴が見られることがあるようです。

 

一方で、運動が続きにくい場合には、

・運動のための時間を新たに確保する必要がある

・最初から負担の大きい内容になっている

・日常の中で“特別な行動”になっている

といった状況になりやすい傾向も考えられます。

 

このように考えると、運動習慣の違いは意志の強さというよりも、

“続けやすい状態になっているかどうか”が影響している可能性も見えてきますよね。

 

行動を左右するのは「環境」という視点

実際に、職場などで運動を促進する取り組みがある場合、

運動実施率が高い傾向が見られることも報告されています。

例えば、

・日常の中で体を動かすきっかけがある

・気軽に運動を始められる環境がある

といった条件が整うことで、

行動へのハードルが下がると考えられます。

つまり、「運動するかどうか」は意志だけで決まるものではなく、

“行動しやすい環境にあるかどうか”が大きく関係しているといえそうです。

 

「何をすればいいか分からない」という壁

もう一つの要因として、「何をすればいいか分からない」という状態も挙げられます。

例えば、

・どのくらい運動すればよいのか

・自分に合った運動が分からない

・続けられる内容がイメージできない

こうした状態では、最初の一歩を踏み出しにくいですよね。

 

また、無理に高い目標を設定すると、継続が難しくなってしまうこともあります。

そのため、

・短時間でもできること

・生活の中に組み込めること

といった“実行しやすさ”が重要なポイントになります。

こうした整理が難しい場合には、ヘルスケアの専門家と一緒に考えることで、

自分に合った取り組み方が見えやすくなることもあります。

 

行動変容に必要な「納得」と「設計」

これからのヘルスケアでは、「運動をしましょう」といった一律の提案だけでは、

行動につながりにくい場面もあるかもしれません。

重要なのは、

・なぜ自分に必要なのかを理解できること

・無理なく続けられる形であること

この2つが揃うことです。

 

例えば、

・自分の体質や傾向を知る

・生活習慣との関係を整理する

といったプロセスを通じて、行動への納得感が生まれることもあります。

さらに、こうした情報をもとに、ヘルスケアの専門家が一人ひとりに合わせて

取組み内容を設計していくことで、生活の中に自然に組み込める形になり、

習慣として定着しやすくなる可能性がアップするのではないでしょうか。

 

まとめ

運動習慣は、単に「やるかどうか」の問題ではなく、

・生活環境

・時間の使い方

・行動のしやすさ

といった要素によって左右されると考えられます。

 

「できていないこと」に目を向けるだけでなく、「どうすれば自然にできるか」

という視点を持つことが、行動変容につながるヒントになるかもしれません。

 

※本記事では、スポーツ庁の調査資料を参考にしています。

https://www.mext.go.jp/sports/content/260313-spt_kensport01-000048203_1.pdf

 

 

今日のIDENSIL情報局は以上です。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

株式会社グリスタは個別化ヘルスケアに特化した遺伝子分析サービス「IDENSIL(イデンシル)」の開発メーカーです。

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IDENSIL管理栄養士 根岸

IDENSIL(株式会社グリスタ)に所属している管理栄養士の根岸です。 遺伝子活用と栄養に関する情報をお伝えしていきます。 ※IDENSILは、健康な方を対象に遺伝的傾向を把握するためのヘルスケアツールであり、医療的な診断・治療を目的とするものではありません。本コラムでも医療用の遺伝子検査ではなく、ヘルスケア分野での利活用に限定して紹介しています。

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