IDENSIL管理栄養士 根岸

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#90 “寝ないで頑張る”はもう古い?-受験期にこそ知っておきたい睡眠の重要性

【この記事の3行まとめ】

・睡眠は“休息”だけではなく、努力を成果に変える時間にもなる

・成長期には、十分な睡眠が学習効率を支える基盤になる

・受験期こそ、睡眠を削るのではなく“整える視点”が重要


皆さんこんにちは。

株式会社グリスタ 管理栄養士の根岸です。

今回は、「受験期における睡眠の重要性」をテーマにお話しします。

 

先日、受験生の睡眠時間について解説している記事を目にしました。

そこでは、睡眠が記憶の定着に重要な役割を果たすことや、

中高生には十分な睡眠時間の確保が推奨されていることが紹介されていました。

 

「睡眠は大切」と分かっていても、受験期になるとつい後回しにしてしまいがちです。

勉強や部活動、習い事など、本当に多忙な毎日を送っている方も多いでしょう。

塾に通っていれば、自宅での予習復習も必要になります。

限られた時間の中で成果を出そうとすれば、睡眠時間を削るという選択肢が浮かぶのも無理はありません。

しかし、本当に「睡眠を削ること」は合理的な選択なのでしょうか。

 

睡眠は“努力を結果に近づける時間”

睡眠は、単なる休息時間ではありません。

日中に学んだ内容を整理し、必要な情報を定着させていく時間だと考えられています。

勉強が「入力」だとすれば、睡眠はその情報を整理する時間ともいえるでしょう。

そのため、睡眠時間が不足すると、覚えたはずの内容がうまく引き出せなかったり、

集中力が続きにくくなったりすることがあります。

 

「勉強時間は確保しているのに、思うように成果が安定しない」

そんなときは、努力の量ではなく、整理する時間にも目を向けてみる必要があるかもしれません。

 

推奨されている睡眠時間

厚生労働省が発行している「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、

・小学生:9〜12時間
・中学・高校生:8〜10時間

が一つの目安として示されています。

 

成長期にある子どもたちにとって、睡眠は体の回復だけでなく、学習効率を支える基盤でもあります。

しかし受験期になると、この時間を十分に確保するのが難しくなるケースも少なくありません。

夜遅くまでの学習やスマートフォンの使用により、睡眠時間が不足しやすくなります。

睡眠は勉強の“敵”ではありません。

むしろ、成果を支える土台といえるのではないでしょうか。

 

「質」を整えるという視点

睡眠は時間だけでなく、「質」も重要です。

例えば、

・就寝前のスマートフォン使用を控える

・寝る時間と起きる時間をできるだけ一定にする

・夕食を極端に遅い時間にとらない

・就寝時は部屋を暗くする

といった基本的な習慣の見直しが、睡眠の質に関係すると言われています。

 

また、睡眠には個人差があることも知られています。

例えば、体内時計のリズムが乱れやすい傾向や、睡眠の質が落ちやすい可能性のある傾向など、

同じ生活習慣でも感じ方やコンディションに違いが出ることは珍しくありません。

 

近年では、こうした個人差の背景の一部に遺伝的な違いが関与している

可能性についても研究が進められています。

あくまで多くの要因の一つではありますが、「なぜ同じように過ごしているのに差が出るのか」を

理解する手がかりの一つとして注目されています。

 

もちろん、遺伝的要因だけで睡眠に関する傾向が決まるわけではありません。

だからこそ大切なのは、努力の量を増やすことだけではなく、自分に合った整え方を

見つけていくことではないでしょうか。

 

睡眠を支える食事という視点

睡眠の質を考えるうえで、食事も大切な要素のひとつです。

睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンは、必須アミノ酸「トリプトファン」を材料に体内でつくられます。

大豆製品、乳製品、卵、魚などに含まれるたんぱく質は、その材料の一つです。

朝にたんぱく質を摂り、日光を浴びることでメラトニンの材料となるセロトニンが合成され、

夜の自然な眠気へとつながります。

 

例えば、朝食にプラスして、プレーンヨーグルトとバナナを組み合わせるのも一案です。

ヨーグルトに含まれるたんぱく質と、バナナに含まれるトリプトファンやビタミンB6は、

体内リズムを整えるための栄養素を補う食品の一例です。

 

一方で、夕方以降のカフェインの摂取や、夜遅い時間の高脂質な食事は、睡眠に影響することがあります。

睡眠は、夜だけ整えればよいものではありません。

日中の過ごし方や食事も含めた生活全体が、「質」に関わっています。

 

受験期こそ「整える力」を

受験期は、時間を積み上げる時期であると同時に、自分のコンディションを整える力が問われる時期でもあります。

睡眠を削って勉強時間を増やすことは、一見すると努力の象徴のように感じられるかもしれません。

しかし、睡眠不足が続けば、集中力や思考の安定に影響が出る可能性もあります。

努力を最大限に生かすために、睡眠は削る対象ではなく、確保し、整えるべき時間と考えてみてはいかがでしょうか。

受験期こそ、睡眠を“戦略のひとつ”として見直してみるのもいいかもしれません。

 

 

今日のIDENSIL情報局は以上です。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

株式会社グリスタは個別化ヘルスケアに特化した遺伝子分析サービス「IDENSIL(イデンシル)」の開発メーカーです。

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IDENSIL管理栄養士 根岸

IDENSIL(株式会社グリスタ)に所属している管理栄養士の根岸です。 遺伝子活用と栄養に関する情報をお伝えしていきます。 ※IDENSILは、健康な方を対象に遺伝的傾向を把握するためのヘルスケアツールであり、医療的な診断・治療を目的とするものではありません。本コラムでも医療用の遺伝子検査ではなく、ヘルスケア分野での利活用に限定して紹介しています。

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