IDENSIL管理栄養士 根岸

  • 遺伝子活用

#89 コンセプトジムが伸びる理由と、フィットネスクラブが取るべき次の一手

【この記事の3行まとめ】

・エンドユーザーは設備の多さよりも「専門性」や「設計された体験」を重視する傾向が見られる

・コンセプトジムの強みは、専門性そのものというより“価値の分かりやすさ”にある

・総合型フィットネスクラブは「総合×個別視点」を強化することで新たな可能性が広がる


皆さんこんにちは。

株式会社グリスタ 管理栄養士の根岸です。

今回は、「コンセプトジムとフィットネスクラブのこれから」をテーマにお伝えします。

 

近年、フィットネス市場ではコンセプトジムの存在感が高まっています。

・ヨガ専門スタジオ

・ピラティス特化型ジム

・女性専用パーソナルジム

・姿勢改善に特化した施設 etc…

 

こうした施設に共通しているのは、「誰に向けた場所なのか」が明確であることです。

たとえば「ヨガを始めたい」と思ったとき、フィットネスクラブにもヨガプログラムはあります。

それでも、ヨガ専門スタジオを選ぶ方は少なくありません。

なかには、フィットネスクラブでヨガを体験したあとに「もっと専門的に取り組みたい」と感じ、

専門スタジオへ移るケースもあるでしょう。

 

その背景には、次のような心理があると考えられます。

・専門のほうが安心できそう

・より深く学べそう

・自分の目的に合っていそう

 

エンドユーザーが見ているのは“種目”というより、その先にある体験や納得感なのかもしれません。

「専門」という言葉は、それを分かりやすく伝える役割を果たしています。

 

総合型とコンセプト型の違い

両者の違いを整理すると、方向性の違いが見えてきます。

 

観点

総合型フィットネスクラブ

コンセプトジム

提供内容

マシン・スタジオ・プール・スパなど多機能 特定目的に特化

価値の伝え方

幅広い選択肢

明確な専門性

エンドユーザーの印象

「何でもできる」

「これをやる場所」

集客メッセージ

多様性を訴求 目的を訴求

課題

強みが分散しやすい ターゲットが限定的

 

総合型は、設備や空間、人材という点で大きな資産を持っています。

マシンが充実していて、スタジオプログラムがあって、スパもあって、、、

一方で、「何でもできる」という特徴が、結果として何が特徴なのか分かりにくい印象に

つながることもあるのが現実です。

対してコンセプトジムは、提供範囲が絞られている分、メッセージがシンプルで伝わりやすい傾向があります。

 

総合型は不利なのか?

ここで一度立ち止まって考えてみたいのは、総合型は本当に不利なのかという点です。

施設によってラインナップは異なりますが、総合型フィットネスクラブは、

・運動

・コンディショニング

・リラクゼーション

・ボディケア

・栄養に関するアドバイス

など、複数の要素を組み合わせられる環境があります。

専門ジムが“特定分野の深さ”で価値を出すのであれば、総合型は“組み合わせの幅”で

価値を出せる可能性があるのではないでしょうか。

 

ただし、それが十分に伝わっているかどうかは別の問題です。

多くの場合、エンドユーザーは「選択肢はたくさんあるが、自分に何が合うのか分からない」

という状態に置かれがちですよね。

メニューが豊富であることと、最適な選択ができることは、必ずしも同じではないと考えています。

 

競争軸は「専門性」から「個別性」へ

コンセプトジムが支持される背景には、“専門”という言葉以上に、

「自分のために設計されている感覚」があるように感じます。

そうすると、総合型が目指す方向は「コンセプト化」そのものではなく、

個々の目的や体質に合わせた組み立て方をどう提示できるかと考えられるのではないでしょうか。

 

たとえば、姿勢改善を目的とする方に対して

「ピラティスとマシントレーニング、ストレッチ、温浴を組み合わせて提案する」

体力向上を目指す方に対して

「有酸素運動と筋力トレーニング、スタジオプログラムを段階的に組み立てる」

 

こうした「横断的な提案」ができることは、総合型ならではの強みです。

重要なのは、設備の多さそのものではなく、それをどう再構成するかという視点です。

そして、そこに遺伝子情報などの体質情報や、生活アンケートなどの日常の背景、

そもそもの目的や心理が加われば、より「自分のために設計されている感覚」を

感じてもらえる可能性がぐっと上がりますよね。

 

「何がありますか?」から「私には何が合いますか?」へ

エンドユーザーが求めているのは、単なる選択肢の提示ではなく、

自分に合った方向性の示唆ではないでしょうか。

・何から始めればいいのか分からない

・続け方が分からない

・成果の実感が得にくい

こうした悩みに対して、「こういう組み立て方があります」と示せることが、

これからのフィットネスクラブに求められる役割の一つだと感じています。

 

設備はすでにあり、空間も、人材も充実している。

必要なのは、それらを“個人視点で再設計する姿勢”かもしれません。

“何でもできる場所”から“自分に合わせて組み立ててもらえる場所”へ。

その変化が、これからのフィットネスクラブの選ばれ方を左右していくのではないでしょうか。

 

 

今日のIDENSIL情報局は以上です。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

株式会社グリスタは個別化ヘルスケアに特化した遺伝子分析サービス「IDENSIL(イデンシル)」の開発メーカーです。

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IDENSIL管理栄養士 根岸

IDENSIL(株式会社グリスタ)に所属している管理栄養士の根岸です。 遺伝子活用と栄養に関する情報をお伝えしていきます。 ※IDENSILは、健康な方を対象に遺伝的傾向を把握するためのヘルスケアツールであり、医療的な診断・治療を目的とするものではありません。本コラムでも医療用の遺伝子検査ではなく、ヘルスケア分野での利活用に限定して紹介しています。

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