#81 ヘルスケア業界における「流行」と「常識」の違いとは―常識になりつつある遺伝子情報の活用
皆さんこんにちは。
株式会社グリスタ 管理栄養士の根岸です。
今回は、「ヘルスケアの流行りと常識」をテーマにお送りします。
「この方法が今は流行っているらしい」
ヘルスケア業界に身を置いていると、こうした情報に日々触れる機会は多いのではないでしょうか。
トレーニング、栄養指導、体のケア、美容、健康増進──どの領域でも、新しい理論やメソッドが次々に登場します。
一方で、ふと立ち止まって考えると、「これは一時的な流行なのか、それとも今後の常識になっていくのか」と迷う場面も少なくありません。
そもそも流行で終わるものと、常識として当たりまえになっていくものの違いは、どこにあるのでしょうか。
ヘルスケア業界における流行と常識は、どう違うのか
流行とは、一定期間で注目され、やがて別のものに置き換わっていくものです。
対してヘルスケアにおける常識とは、「使っているのが当たり前」になり、サービスを提供する上で欠かせないものだと考えています。
たとえば体組成情報。
かつては、トップアスリートのサポートや一部の研究用途に限られていましたよね。
私が大学生の頃、実習で初めて業務用の体組成計を活用し、詳細な体組成情報を計測したとき、「こんなことまでわかるんだ!」と感動したのを覚えています。
そして、今では多くのパーソナルジムやフィットネスクラブを始めとするヘルスケア施設で、体脂肪率や筋肉量を把握することはごく自然な行為になっています。
「測らない理由を説明するほうが難しい」──それほどまでに常識化しているもののひとつではないでしょうか。
そして重要なのは、体組成計そのものではなく、その人の状態を把握したうえで指導を組み立てるという考え方が定着した点です。
遺伝子情報・遺伝子検査も「個体差を知るためのヘルスケアデータ」
遺伝子検査という言葉に、特別感や難しさを感じる方もいるかもしれません。
しかし本質的には、遺伝子情報も体組成情報などと同じく、その人ならではの個体差を把握するための情報のひとつです。
生まれ持った筋肉の特性、代謝に関わる酵素の傾向など、遺伝子研究の進展によって「人によって違いがある」ことが、少しずつ言語化・構造化されてきました。
例えばパーソナルジムでは、エンドユーザーの目的や生活習慣のヒアリング、年齢や性別、体組成情報など、人それぞれの情報を参考に、「その人に合った」トレーニングや食事メニューを提案しますよね。
遺伝子情報も、そういった「人それぞれ」の情報のひとつです。
そのため、遺伝子情報を活用することで、トレーニングや食事指導の背景にある説明に一貫性が生まれ、よりパーソナライズされたヘルスケアサービスの提供が可能になります。
画一的なトレーニングとデータに基づいた自分に合ったトレーニング、どちらかを選ぶなら多くの人が後者を選ぶのではないでしょうか。
遺伝子情報は、特別なものではなく「個体差の傾向を知るための選択肢のひとつ」として、ヘルスケアの現場で少しずつ常識になりつつあると、私たちは考えています。
ヘルスケア事業者にとっての現実的な活用視点
パーソナルジム、フィットネスクラブ、整体院、エステ、食品メーカーなど、業態が異なっていても共通するのは「人を相手にしている」という点です。
管理栄養士やトレーナーといった専門家が関わることで、遺伝子情報は単なるデータではなく、「その人を理解するための材料」として生かすことができます。
遺伝子情報があることで、
「なぜこの指導を行うのか」
「なぜ今はこのアプローチを選ぶのか」
といった説明に一貫性が生まれやすくなり、継続的な支援の流れを描きやすくなるケースも少なくありません。
結果として、他社との差別化だけでなく、「この人に任せてみよう」と思ってもらえる信頼づくりに繋がる可能性もあると考えています。
現場での遺伝子情報の活用は、そうした地に足のついた形で広がり始めています。
まとめ:遺伝子情報は「正しく使えば役に立つ」
ヘルスケアの流行は、これからも生まれ続けるでしょう。
その中で、遺伝子情報の活用は「流行っているから使うもの」ではなく、個別最適化という考え方を支える基盤のひとつとして、常識になりつつあります。
万能ではないからこそ、専門家の判断が活きる。
断定できないからこそ、誠実な説明が価値になる。
遺伝子情報は、正しく使えば、確かに役に立つ。
そう感じた方は、どのような形で自社のヘルスケアサービスに活かせるのか、一度立ち止まって考えてみる価値はあるかもしれません。
より具体的な活用事例や仕組みについて知りたい方は、ぜひ、弊社までお声がけください。
今日のIDENSIL情報局は以上です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
株式会社グリスタは個別化ヘルスケアに特化した遺伝子分析サービス「IDENSIL(イデンシル)」の開発メーカーです。
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IDENSIL管理栄養士 根岸
IDENSIL(株式会社グリスタ)に所属している管理栄養士の根岸です。 遺伝子活用と栄養に関する情報をお伝えしていきます。 ※IDENSILは、健康な方を対象に遺伝的傾向を把握するためのヘルスケアツールであり、医療的な診断・治療を目的とするものではありません。本コラムでも医療用の遺伝子検査ではなく、ヘルスケア分野での利活用に限定して紹介しています。



