#74 物価高で“続ける理由”が問われる時代の食とヘルスケアサービスをどう考えるか— 2026年に見えてきた変化 —
皆さんこんにちは。
今回は、「物価高騰の中で選ばれる食とヘルスケアサービス」をテーマにお送りします。
物価高が続くなかで、食品やヘルスケアに関わるサービスを提供する事業者は、
これまで以上にサービスのあり方を考える場面が増えているのではないでしょうか。
原材料費や人件費が上がり、価格の見直しが避けられない一方で、
経営者自身が「この形のままで、これからも続けていけるのだろうか」と考えてしまうことも多いと思います。
食品や健康サービスの価格が上がること自体は、もはや特別な出来事ではなくなりました。
その中で、以前よりもはっきりしてきたのが、価格そのものよりも「購入し続ける理由」が見られているという点です。
売上が落ちていなくても、手応えが薄く感じる理由
値上げの影響で単価は上がり、売上高だけを見ると大きく崩れていない。
それでも、「事業として前に進んでいる感覚が弱い」「以前より不安が増えた」と感じることはないでしょうか。
販売数量が伸びにくくなったり、値上げのたびに顧客の反応を気にしたりする状況が続くと、
売上高と事業の健全さが必ずしも一致しなくなっているように感じられます。
これは個別の経営判断というより、市場全体で起きている変化の影響が
じわじわ表に出てきている状態とも言えそうです。
価格が上がるとき、消費者は何を基準に選ぶのか
価格が上がる局面では、消費者の選択基準がより明確になります。
「以前から使っているから」「なんとなく安心だから」といった理由だけでは
選び続ける動機として弱くなってきています。
その代わりに重視されるのが、
「自分にとって、なぜ必要なのかが分かるかどうか」 です。
ヘルスケアに良い、成分が優れている、科学的な裏付けがある。
こうした要素は引き続き重要ですが、
それだけでは購入や継続の決め手になりにくい場面が増えてきました。
“続ける理由”は、どこから生まれるのか
ヘルスケアや食に関わるサービスを継続する理由は、利用者一人ひとりで異なります。
ただ、事業者側から見ていると、続いているサービスには共通する感覚があるように感じられます。
たとえば、
- 利用者自身が、日常の中で小さな変化を感じられている
- 利用者が「自分に合っている理由」を完全ではなくても理解できている
- サービスが生活の中で無理なく組み込まれている
価格が上がっても利用が続いているサービスには、
こうした要素が自然と含まれていることが多いのではないでしょうか。
2026年に見えてきそうな変化とは
◇ 個別化は「特別な価値」ではなく、前提になっていく
これまで多くのサービスは「多くの人に当てはまる提案」を軸にしてきました。
しかし現在は、事業者側も利用者側も、その前提に違和感を持ち始めているように見えます。
体質や生活背景の違いを前提にした説明やサポートは、一部の先進的な取り組みではなく、
徐々に当たり前の考え方で生活者をどう理解するかという姿勢の変化に近いものです。
◇ 結果よりも、途中の実感が重視される
ヘルスケアに関わる変化は、短期間では見えにくいものです。
そのため利用者は、「結果が出るまで待つ」こと自体に負担を感じやすくなっています。
そこで重要になるのが、続けている途中で何を感じられるかです。
小さな変化を振り返る機会や、行動を整理する仕組みは、
利用者が「続けてみよう」と思い続けるための支えになりやすいと考えられます。
◇ 食品・情報・サポートを一体で設計する動き
今後は、食品だけ、情報だけ、指導だけといった分断された提供ではなく、
食品・情報・サポートを一体として設計する考え方が広がっていきそうです。
これは利用者に何かを押し付けるためではなく、
生活の中で無理なく続けられる形を整えるための工夫と捉えることができます。
事業者として、今あらためて考えたいこと
物価高のなかで価格調整が難しい今、食とヘルスケアに関わるサービスを提供する企業には、
次のような視点が求められているように感じられます。
- 自社のサービスは、どんな人のどんな生活を支えているのか
- その人にとって、なぜ続ける意味があるのか
- その理由を、現在の言葉で説明できているか
これらは新しい商品を増やすという話ではありません。
すでに提供している価値を、どう整理し、どう伝えるかという問いです。
まとめ
物価高は、事業運営にとって確かに厳しい環境です。
一方で、食とヘルスケアサービスが持つ本質的な価値を見直す機会にもなっています。
価格が上がる時代だからこそ、事業者は
「なぜ利用者が続けてくれているのか」「その理由を、利用者ときちんと共有できているか」を
問い直す必要が出てきたように思います。
2026年に向けて問われているのは、正解を示すことではなく
利用者と一緒に“続ける理由”を育てられているかどうか。
そんな視点で、これからの食とヘルスケアサービスを捉え直してみてもよいのではないでしょうか。
今日のIDENSIL情報局は以上です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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