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#71 食品を「売る」から「支える」へ。食品関連サービスを展開する企業が、今あらためて向き合うべき価値とは

皆さんこんにちは。

今回は、「食品関連サービスを展開する企業が、今あらためて向き合うべき価値とは」をテーマにお送りします。

 


食品業界の中でも、近年存在感を高めているのが、単なる食品の製造・小売にとどまらず、

栄養指導や食生活のサポート、会員制サービス、情報提供などを組み合わせた

「食に関わるサービス事業」を展開する企業です。

 

しかし、物価高騰が続く今、

このような一歩先を行っていたはずの企業ほど、次の成長の難しさを感じている

という声も少なくありません。

 

物価高の影響は「サービス型企業」にも確実に及んでいる

原材料費や人件費の上昇は、食品を扱うすべての企業に影響しています。

サービス型の企業であっても、

  • 提供する食品の原価が上がる
  • 指導・サポートにかかる人的コストが増える
  • 値上げがしづらい

といった課題は避けられません。

 

さらに、消費者側も物価高の影響を受け、

「本当に必要なサービスかどうか」をより厳しく判断するようになっています。

 

この結果、

「価値が伝わりきっていないサービス」ほど、選ばれにくくなる

という状況が生まれています。

 

すでに「モノ売り」ではないからこそ、直面する壁

栄養指導や食関連サービスを展開している企業は、すでに以下のような価値提供を行っています。

  • 食事や栄養に関するアドバイス
  • 健康意識を高める情報提供
  • 継続利用を前提とした設計

 

それでもなお、

  • 「サービスの違いが伝わりにくい」
  • 「価格に見合う価値を説明しきれない」
  • 「利用者の実感にばらつきがある」

といった課題に直面しているケースは少なくありません。

 

これはサービスの質が低いからではなく、

利用者の「個人差」を十分に扱いきれていないことが原因になっている場合があります。

 

「正しい栄養」だけでは、納得感は生まれにくい

栄養指導や食のアドバイスは、科学的に正しい内容であることが前提です。

しかし現実には、正しさだけでは行動につながりません。

 

  • 同じ指導を受けても続く人と続かない人がいる
  • 食生活を変えられる人と変えられない人がいる
  • 効果を実感する人と、実感しにくい人がいる

 

この差は、意志の強さだけでは説明できません。

体質、生活リズム、ストレス耐性、回復力——

人それぞれの前提条件が違うからです。

 

ここで重要になる「個別化」という視点

食品関連サービスを次のステージへ進めるために、

今あらためて注目されているのが 個別化(パーソナライズ) という考え方です。

 

これは、

「一人ひとりに完全に違う指導をする」

という意味ではありません。

 

  • どんな点に影響を受けやすい人なのか
  • どこでつまずきやすいのか
  • 何を優先すると取り組みやすいのか

こうした “体質や傾向の違い”を前提にサービスを設計する という視点です。

 

遺伝子検査は、サービスを支える「理解の土台」になる

ここで遺伝子検査が果たす役割は、診断や医療行為ではありません。

食品関連サービスにおける遺伝子検査は、

  • 栄養代謝や生活習慣への反応の傾向
  • ストレスや疲労の感じやすさ
  • 食事・運動の取り入れやすさ

といった 個人差を説明するための“補助情報” として活用されます。

 

これがあることで、栄養指導や食品提案は「一般論」から

「その人にとっての納得感がある説明」へと変わります。

 

サービス型企業にとっての事業的メリット

遺伝子検査や個別化の視点を取り入れることで、

食関連サービスを展開する企業は次のような変化を期待できます。

 

  • サービス内容の説得力が増す
  • 利用者の理解度・継続率が高まる
  • 「合う・合わない」の理由を説明できる
  • スタッフ間で指導の軸を揃えやすくなる

 

これは、新しい商品やサービスを無理に増やす話ではありません。

すでに提供している価値を、より正確に伝えられるようになる という変化です。

 

物価高の時代だからこそ、サービス価値が問われる

価格が上がると、人は「納得できるかどうか」で判断します。

これは食品でも、サービスでも同じです。

食に関わるサービスを展開している企業は、すでに「売る」から「支える」へと舵を切っています。

そして次に求められるのは、その支え方が“なぜこの人に合うのか”を説明できることです。

 

物価高の中で、食品関連サービス事業は決して楽な状況ではありません。

しかし同時に、価値を正しく伝えられる企業にとっては、信頼を深めるチャンスでもあります。

 

栄養指導や食品提案に、個別化という視点を加えることで、

  • 利用者は自分ごととして理解しやすくなり
  • サービスは価格ではなく意味で選ばれるようになる

食品を起点に、人の人生を支える事業だからこそ、

「一人ひとり違う」という前提に立つことが、次の成長につながるのではないでしょうか。

 

 

今日のIDENSIL情報局は以上です。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

株式会社グリスタは個別化ヘルスケアに特化した遺伝子分析サービス「IDENSIL(イデンシル)」の開発メーカーです。

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