#69 パーソナルニュートリション×遺伝子検査がつくる“新しい常識”とは
皆さんこんにちは。
今回は、今話題の「パーソナル(パーソナライズド)・ニュートリション」をテーマにお送りします。
いま、食と健康の世界では静かなパラダイムシフトが起きています。
従来の「健康に良い食材」「万人に効く栄養法」といった一般論は、その立場を急速に失いつつあります。
代わりに登場しているのが、パーソナルニュートリション(個別最適化栄養)×遺伝子検査という新しい組み合わせです。
たとえば、同じ食事でも血糖値の上がり方は人によって違います。
脂質の代謝が得意な人もいれば、糖質の代謝が苦手な体質の人もいます。
鉄不足になりやすく、貧血になりやすい体質の人がいる一方で、鉄に影響をあまり受けない人もいますよね。
つまり、これからの栄養は“平均に合わせる”のではなく、
ひとりの体質に合わせて最適解を導く時代
へと向かっています。
そして、この流れは近年の食ビジネス全体を変えています。
パーソナルニュートリションは“体質 × 生活 × 専門家”の三つで完成する
注目すべき視点は、消費者の価値観の変化です。
サプリメントや健康食品の市場は成熟し、ユーザーは「とりあえず飲む」から「自分に合うものだけを選ぶ」へとシフトしています。
しかし、パーソナルニュートリションとは単に「個別アドバイスをすること」ではありません。
本質は、次の三つを組み合わせて“その人に本当に最適な栄養”に導く仕組みをつくることにあります。
① 体質(遺伝子)
② 現在の生活習慣や健康状態
③ 専門家の解釈と提案
この三つが揃って初めて、一般的な健康法では提供できない「納得感のあるパーソナライズド体験」が生まれます。
遺伝子データは「誰に何を売るべきか」を精密に導くパーソナライズド・マーケティングの基盤となります。
遺伝子検査は中心ではなく“土台”として使うべき
よく、事業者の方に受ける質問のひとつに、「遺伝子検査を中心に据えるべきか?」というものがあります。
私たちが考えるのは、
「遺伝子検査は、サービスの中心ではなく、強固な土台となる要素」です。
遺伝子検査を導入すると、
- 糖質や脂質代謝の体質傾向
- ビタミンの吸収傾向
- 睡眠に対する体質傾向
- アスリートの怪我のしやすさ
など、生まれつきの“体質傾向”がわかります。
遺伝子は、基本的には「一生変わらない情報」なので、一度取得すれば価値が長期的に続く点が大きなメリットです。
商品開発にも説得力のある個別提案にも役立ち、サービス全体の精度が一段高まります。
しかし、ここで一つ注意が必要です。
「遺伝子“だけ”ではパーソナルニュートリションは成立しない」
パーソナルニュートリションを正しくサービス提供するために、理解しておくべきポイントはこれです。
遺伝子検査では、その人の“今の状態”はわからない
基本的に、遺伝子は一生変わりませんが、人の体の状態は日々変わります。
・睡眠不足
・仕事のストレス
・運動量の変化
・食生活の乱れ
・年齢
・ホルモンバランス など
こうした要素が、実際の体の反応を大きく左右します。
たとえば、糖質に影響が出ないとされている遺伝子結果が出ても、睡眠不足や運動不足で血糖コントロールが乱れることは珍しくありません。
だからこそ、
「生活習慣(食事・睡眠・運動など)のヒアリングやアンケートなど、その人の<今>を体質と一緒に知る」
ということがとても重要です。
専門家がそれらを“行動可能なアドバイス”に翻訳する
データが揃っても、それだけではユーザーは動けません。
むしろ、生のデータを誤解して不適切な食事法に走るリスクもあります。
そこで次に重要なのが、身体の専門家(管理栄養士、トレーナー、理学療法士や医師など)による解釈と提案 です。
身体の専門家は、
- データの正しい読み取り
- 極端な判断を防ぐ
- ライフスタイルに合わせた継続しやすい提案
- モチベーション管理
などを担い、ユーザー体験を“価値あるもの”へと変えます。
つまり、事業者が構築すべきは「遺伝子 × 現在の状態 × 専門家」の三位一体モデル なのです。
パーソナルニュートリション導入は“競争領域”ではなく“差別化戦略”
パーソナルニュートリションは、
- 顧客単価の向上
- 継続率の上昇
- 顧客の自己理解が高まりロイヤルティが増加
- 開発・マーケティングの精度が上がる
といった効果が期待できます。
市場が成熟している今だからこそ、“全員に同じものを提供する”モデルから抜け出し、
顧客一人ひとりに合わせた価値提供 へとシフトする必要があります。
パーソナルニュートリションは、そのための最も強力な戦略です。
最後に:これからの食と健康サービスの「標準」に備える
パーソナルニュートリションは、もはや一過性のブームではなく、
これからの食と健康サービスの“標準” になる領域です。
①遺伝子という土台
②現在の状態を知るヒアリング
③専門家による導き
この三つを丁寧に組み合わせることで、
事業者はユーザーの人生に寄り添う“価値の高いサービス”を提供できるようになります。
パーソナルニュートリションが当たり前になりつつある今、
導入を検討する企業にとっては、まさに絶好のタイミングと言えるのではないでしょうか。
今日のIDENSIL情報局は以上です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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