#58 ヘルスケア業界のマーケティング、できていますか?
皆さんこんにちは。
今回は「ヘルスケア業界のマーケティング」をテーマにお伝えします。
昨今、ヘルスケアビジネスは個人の健康意識の高まりと共に拡大を続けています。特にBtoC分野では、商品やサービスの選択肢が多様化し、企業にとっては「良いものを作る」だけでは不十分な時代に突入しています。
「良い商品なら自然に売れる」という考え方は、残念ながら現代の市場では必ずしも通用しません。いかに優れた技術や成分があっても、消費者に“伝わらなければ”価値は届かないのです。本稿では、ヘルスケア分野に携わる皆様に向けて、客観的なマーケティングの基本を3つの視点から整理してみたいと思います。
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ヘルスケア市場の特徴を理解する
マーケティング戦略の出発点は、自社が属する市場の特徴を正しく把握することです。ヘルスケア業界、とりわけBtoC領域は「関心は高いが知識は乏しい」という、情報の非対称性が大きな特徴です。
つまり、消費者は健康に関心がある一方で、正しい判断をするための材料を十分に持っていないということも課題のひとつと言えそうです。
この構造においては、単なる商品のスペック訴求ではなく、「なぜ必要なのか」「どんな悩みに対応しているのか」を丁寧に説明する必要があります。商品の価値を“翻訳”する力が問われます。加えて、信頼できる情報源の提示や、過剰な表現を避けることも、当然ながら信頼を構築する上で不可欠です。
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消費者の「感情」を捉える視点
ヘルスケアは、日常生活と密接に関わる領域です。そのため購買意思決定には、理論よりも感情が大きく影響するのがひとつの特徴です。「自分に合いそう」「共感できる」「続けられそう」といった直感的な要素が、選ばれる理由の大きな軸になります。
たとえば、どれだけ効果に関するデータがそろっていても、「専門的すぎて難しい」「自分ごとに感じられない」と思われてしまうと、購買には結びつきません。だからこそ、マーケティングにおいては専門性だけでなく、親しみやすさや生活へのなじみやすさも重要な要素です。
ターゲットに届きやすく感情に寄り添った表現やビジュアル、共感を生むストーリーは、数字以上の力を持つこともあります。機能性や品質に自信のある商品ほど、「伝え方」によって成果が左右されることを覚えておく必要があります。
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商品力とマーケティング力は“両輪”である
ここで改めて強調したいのは、「良い商品=売れる商品」ではないということです。これは商品の質が不要だという意味では決してありません。むしろ、質の高い商品だからこそ、適切に価値が伝わらないまま埋もれてしまうリスクを抱えています。
消費者の多くは、最初から商品を比較検討して選ぶわけではなく、目に入ったもの・共感したもの・信頼できそうなものを選びます。つまり、“伝え方”の設計が購買行動に直結しているのです。
マーケティングは、「売るためのテクニック」ではなく、「価値をきちんと届けるための手段」と捉えることが重要です。商品の背後にある哲学や開発の背景、使い手の生活へのインパクトまでを丁寧に設計することで、はじめて商品力が活きてきます。
マーケティングはこれまで取り組んだことがないヘルスケア業界の皆様、是非チャレンジしてみませんか。弊社ではIDENSIL導入の事業者様向けにマーケティング支援も行っています。興味をお持ちの方はお気軽にお問合せください。
今日のIDENSIL情報局は以上です。
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