#55 企業の健康経営を一歩進める「体質理解」のすすめ──遺伝子検査の可能性
健康経営への関心が年々高まる中、社員一人ひとりの体質やコンディションに目を向けた取り組みに注目が集まっています。
そのなかで最近、遺伝的体質に基づいた健康支援という考え方が、企業の中でも少しずつ広がってきています。
今回は、企業向けの遺伝子検査をどのように活かせるのか、社会的な背景にも触れながらご紹介します。
取り組みの参考材料として、ぜひ最後までお付き合いください!
健康経営が求められる時代に
少子高齢化の影響で、労働力人口が減少している日本では、社員の健康を維持・促進していくことが、組織づくりの中でも大きなテーマになっています。
経済産業省が推進する「健康経営優良法人認定制度」でも、2025年3月には大規模法人部門で3,400法人、中小規模法人部門に19,796法人が認定を受けており(※)、こうした動きはますます加速しています。
このように健康経営が社会的にも評価されるようになった今、企業としても「どのように取り組むか」が問われる時代になっています。
※出典:経済産業省(https://www.meti.go.jp/press/2024/03/20250310005/20250310005.html)
社員ごとの“個性”に寄り添うには
これまでの健康施策は、運動促進、食事改善、禁煙支援など、どうしても全員に同じ内容を届けるものが中心でした。ただ、同じ取り組みでも「やりやすい」と感じる人と、「合わない」と感じる人がいるのも自然なことです。
そうした背景には、代謝の影響や栄養の処理のされ方、ストレスへの反応の違いなど、生まれつきの体質=遺伝的な傾向が関係している可能性もあります。
法人様向けにご提供している弊社の遺伝子検査「IDENSIL(イデンシル)」では、代謝への影響や筋肉のタイプ、ストレス感受性といった体質の傾向を可視化できるように設計しています。検査結果をもとに、「自分にはどういった生活習慣が合っていそうか」といった考えのヒントを得るきっかけになることが期待できます。
無理なく自然と取り入れられる仕組みづくりへ
健康経営を進める上で大切なのは、施策を一度きりで終わらせず、無理なく続けられる形にすることです。その点で、遺伝的な体質に寄り添った支援は、個々に合わせた関わり方を考えるうえでの“もうひとつの視点”になり得ます。
導入の方法もさまざまで、たとえば希望者のみに実施したり、特定の部署や職種に絞って試験的に始めたりするなど、柔軟に進めていくことが可能です。
検査そのものが社員にとって「自分の体と向き合うきっかけ」になり、共有の場が「会社からの気づかい」として受け止められることもあるようです。こうした体験の積み重ねが、結果的に健康経営の基盤づくりにつながっていくのではないでしょうか。
一人ひとりの違いに気づき、それを前提にした支援を行う――そんな丁寧な健康経営のあり方に、遺伝子検査はひと役買うことができるかもしれません。
現場での取り組みのヒントとして、ぜひ参考にしていただければと思います。
今日のIDENSIL情報局は以上です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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株式会社グリスタが運営する、遺伝子情報を正しく活用するための メディアです。 ※IDENSILは、健康な方を対象に遺伝的傾向を把握するためのヘルスケアツールであり、医療的な診断・治療を目的とするものではありません。本コラムでも医療用の遺伝子検査ではなく、ヘルスケア分野での利活用に限定して紹介しています。