#45 ヘルスケアの“掛け算”が生み出す、新しいパーソナライズのかたち― 遺伝子検査 × サービス連携で広がる可能性 ―
皆さんこんにちは。
今回は「遺伝子検査×ヘルスケアサービスの組み合わせ」をテーマにお伝えします。
「個別最適化されたヘルスケア」について、体質という“変わらない情報”を可視化することで、一人ひとりに合った支援の基盤を築くことができると発信してきました。
そして、実際の現場で“より活用しやすい情報”として生かしていくには、もう一つ視点があります。
それは、他のヘルスケアサービスとの組み合わせです。
連携によってより役立つ情報に昇華する遺伝子情報
遺伝子検査単体でも、ホルモンや代謝の特性や筋線維タイプの傾向など、さまざまな情報が得られます。
一方で、遺伝子で得られる情報は基本的には一生変わらない“静的”な情報です。そして、リアルタイムの生体データと組み合わせることで、情報の価値はより立体的になっていきます。
例えば、パーソナルジムでトレーニング指導する際には、日常生活のアンケートや悩みのヒアリングなどの主観的情報に加え、体重・体脂肪率・筋肉量などの動的で客観的な生体情報を参考にすると思います。
今現在の客観的情報を知っているのと知らないのでは、指導のしやすさにも大きく差が生じますよね。
同じように、ウェアラブルによる日中の活動データ、スリープテックによる睡眠の可視化、血液検査から得られる栄養状態など、これらは“今”の状態を示す動的かつ客観的な情報です。
そこに遺伝子情報を掛け合わせることで、「どうすれば良いか」だけでなく、「なぜこの状態なのか」に対する理解が深まり、提案の説得力が増していきます。
客観的データの「裏付け」と「補完」に
専門家の知識やヒアリングに基づいたアドバイスは、実践的で柔軟性に富んでいます。
そこに客観的な根拠としてのデータが加わることで、提案の説得力や再現性が大きく高まります。
遺伝子情報は、体質の傾向や特性をあらかじめ把握できる“設計図”のような役割を果たしますが、「今その人がどのような状態か」までは分かりません。
そこで、日常的に変化する体組成情報や睡眠、活動量や栄養状態などを示すデータと組み合わせることで、過去・現在・未来をつなぐ視点が生まれます。
複数の情報が交わることで、“点”ではなく“流れ”として人の状態を捉えられるようになり、より立体的で実践的なヘルスケア提案が可能になります。
データの“質”を高めるための視点を
単一の情報では、判断が難しいことが多々あります。
ですが、遺伝子情報と他の生体データを掛け合わせることで、「その人の今」と「その人のもともとの体質」が見えてきます。それは、パーソナライズの精度を上げるだけでなく、提案に説得力を与え、納得感を引き出すための大きな助けになります。
これからのヘルスケアは、“どの情報を持っているか”よりも、“どう組み合わせるか”が当たり前になるのではないでしょうか。
遺伝子検査を中心に据えた“掛け算のヘルスケア設計”は、専門家にとっても、ユーザーにとっても、大きな価値を生む時代に入っています。
今日のIDENSIL情報局は以上です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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株式会社グリスタが運営する、遺伝子情報を正しく活用するための メディアです。 ※IDENSILは、健康な方を対象に遺伝的傾向を把握するためのヘルスケアツールであり、医療的な診断・治療を目的とするものではありません。本コラムでも医療用の遺伝子検査ではなく、ヘルスケア分野での利活用に限定して紹介しています。