#31 「遺伝子検査 × 整体鍼灸」で実現する体質別ヘルスケア―施術の個別最適化がもたらす新たな価値-
皆さんこんにちは。
今回は「遺伝子検査×整体鍼灸」をテーマにお伝えします。
整体や鍼灸の技術は、日常生活で疲労やストレスを抱えやすい現代人にとって、大きな役割を担っています。身体に触れ、身体の声を聴き、患者の変化に応じた対応をする。その熟練の技で、日々助かっている方も多いのではないでしょうか。
しかしその一方で、整体や鍼灸の現場では、以下のような声も現実として存在します。
- 「違うスタッフが同じ施術をしたら、結果が出ない」
- 「同じスタッフでも顧客によって効果にムラがあり、リピートに結びつかない」
- 「属人的な技術から脱却したいが、方法がない」
つまり、優れた施術であるほどに“再現性の難しさ”が課題となるのです。
体質を「見える化」することで、技術に再現性が宿る
このような課題に対して、いま遺伝子情報が注目されています。
今までは「個体差」としてしか語られなかったものが、遺伝子の研究により以下のようなことが可視化されるようになってきました。
- 筋線維組成や筋損傷のしやすさ
- 酸化ストレスや糖化への感受性
- 睡眠の特性やホルモンの働き
これらの生まれ持った体質と、現在の生活環境や習慣、身体状況などの現状を施術やカウンセリングの判断材料に組み込むことで、「なぜこの人にはこのアプローチが有効だったのか」「この施術が効きづらかった理由は何か」が説明可能になる可能性が高まります。
つまり、施術に“再現性”と“理論性”を加えることができるのです。
「ノウハウの言語化」と「スタッフ育成」への応用
遺伝子情報は、生まれ持った体質情報というひとつの材料に過ぎませんが、一方で、ノウハウの言語化やスタッフの育成にも応用することができます。
たとえば多店舗展開を検討している事業者や、若手スタッフの育成に悩んでいる方にとっては、体質情報に基づいたマニュアル化・ノウハウ設計は、教育の質の向上にも直結します。
また、属人的なスキルに頼ることなく、施術の“再現パターン”を構築できれば、サービス全体の品質安定化やLTVの向上にもつながるはずです。
職人技と最先端の科学が融合する時代へ
整体鍼灸の現場は、経験則と手技が積み上げた大きな価値を持っています。
その価値をさらに磨き、次の世代へと継承していくために、遺伝子検査という最先端の科学的視点を取り入れることで、施術は「属人的な職人技」から、「再現性のある個別ケア」へと進化し始めています。
そしてそれは、単なる“差別化”だけでなく、施術者の技術を未来につなぐ選択肢となり得るものではないでしょうか。
今日のIDENSIL情報局は以上です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
株式会社グリスタは個別化ヘルスケアに特化した遺伝子分析サービス「IDENSIL」の開発メーカーです。
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株式会社グリスタ 代表取締役 斎藤 利
1979年生まれ/和歌山県出身/工学修士学生時代は竜巻のメカニズムを研究。2010年バレーボール個人指導スクール設立をきっかけに、個人の体質によるパフォーマンス影響に着目。2015年より遺伝子業界へ。2018年、日本で初めて専門事業者の指導やヘルスケアソリューションを個別化することに特化した業務用遺伝子分析サービス「IDENSIL」を開発・リリース。内閣官房が進めるレジリエンスジャパン推進協議会のWG委員選出や自治体との連携、日本を代表するトップアスリートの指導者への遺伝子情報提供を通じ、ヘルスケアから美容まで幅広い個別化に携わっている。