#29 遺伝子検査で“わかること”──個性に寄り添うヘルスケアの新常識
皆さんこんにちは。
本日は「遺伝子検査でわかること」をテーマにお伝えしていきます。
画一的なアプローチでは通用しない時代へ
最新の研究が進むにつれ、「同じ方法をすべての人に当てはめる」ことの限界が明らかになってきました。
健康やパフォーマンスを高めるうえで、従来のマニュアル型の指導やサービスでは個人差に対応しきれないことが増えています。
その背景のひとつが、“遺伝的体質”という、目には見えない一人ひとりの違いです。
遺伝子検査で見えてくる「体質の設計図」
では、実際に遺伝子検査でわかることとは何でしょうか。
たとえば、
・筋線維の組成
・ホルモンや酵素の働き
・睡眠の質や体内時計
・骨や血管の構造的特性
といった、身体の“設計図”に関わる情報が明らかになります。
これは「太りやすいかどうか」などの一面的な情報ではなく、体の反応性や傾向を読み解くデータです。
筋肉のタイプ、代謝の傾向、睡眠中枢やホルモン、骨や血管の特性など、まさに体の“設計図”が読み取れるのです。
これらは一人ひとりの生活習慣やパフォーマンスに深く関わる領域であり、適切に理解すればその人に本当に合ったアドバイスや支援が可能になります。
遺伝子情報を活かすのは「専門家の視点」
遺伝子情報は、それ自体が“答え”を示してくれるわけではありません。
重要なのは、その情報をどのように読み取り、どのように実践へつなげるかというプロセスにあります。
栄養、運動、睡眠、メンタルケア――どの分野においても、専門家が自らの知識や技術と組み合わせてこそ、個人に最適な対応が可能になります。
情報を“ただ知る”だけでなく、目の前の一人に合った提案へと翻訳するためには、専門的な視点とノウハウが欠かせません。
遺伝子検査は、あくまで体質情報のひとつにすぎません。
その情報を価値のあるものに変えるのは、他でもない専門家の経験と判断力なのです。
差別化の鍵は「個別最適化」にある
実際に遺伝子情報を活用したヘルスケアサービスは、体質別トレーニング、栄養指導、睡眠ケア、介護予防、美容プログラムなど多岐にわたります。
こうしたアプローチは、エンドユーザーに「自分だけに合わせた提案がある」という信頼感をもたらし、満足度や継続率の向上、そしてLTV(顧客生涯価値)の最大化にもつながることが期待できます。
今後、ヘルスケア事業者にとって、「誰にでも同じ方法を提供する」時代から、「その人の体質に合わせてデザインする」時代への転換は避けられません。
遺伝子検査で“わかること”をどう活かすか。それは、専門家が自らの力をより価値あるものへと昇華させるための大きな一歩になるはずです。
今日のIDENSIL情報局は以上です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
株式会社グリスタは個別化ヘルスケアに特化した遺伝子分析サービス「IDENSIL」の開発メーカーです。
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株式会社グリスタ 代表取締役 斎藤 利
1979年生まれ/和歌山県出身/工学修士学生時代は竜巻のメカニズムを研究。2010年バレーボール個人指導スクール設立をきっかけに、個人の体質によるパフォーマンス影響に着目。2015年より遺伝子業界へ。2018年、日本で初めて専門事業者の指導やヘルスケアソリューションを個別化することに特化した業務用遺伝子分析サービス「IDENSIL」を開発・リリース。内閣官房が進めるレジリエンスジャパン推進協議会のWG委員選出や自治体との連携、日本を代表するトップアスリートの指導者への遺伝子情報提供を通じ、ヘルスケアから美容まで幅広い個別化に携わっている。