株式会社グリスタ 代表取締役 斎藤 利

  • 遺伝子活用

#28 遺伝子検査×顧客満足度の関係性 -サービス満足度向上に直結する「納得感ある提案力」-

皆さんこんにちは。

今回は「遺伝子検査×顧客満足度」をテーマにお伝えしていきます。

 

現代のヘルスケア市場は「個別化」がキーワードになりつつあります。画一的なサービス提供ではなく、一人ひとりの身体的特徴やライフスタイルに寄り添ったプログラムが求められています。

その流れの中で、遺伝子検査は注目すべき要素の一つとして台頭していますが、単に「遺伝子情報を取得する」ことだけが目的ではありません。重要なのは、その情報をどう活かすか、そしてそれがどのように顧客満足度の向上に繋がるかという視点です。

 

遺伝子情報がもたらす「納得感」

たとえば、「痩せたい」と願う2人がいたとして、同じ食事や運動をしたとしても、その痩せ方は違います。IDENSIL情報局の読者の皆様であれば、もうその理由はおわかりになると思いますが、体質が異なるからです(もちろんそれ以外の要因も考えられますが)。遺伝子検査の役割のひとつに、この“体質の違い”を言語化し、見える化することが挙げられます。

ただ、そこで大切なのは、体質情報だけを得るだけでなく、その情報に基づいて、「なぜこのアドバイスなのか」「なぜこのプログラムが自分に必要なのか」という“納得感”を伴う提案ができるかどうかです。消費者の方は「自分専用に考えられた」と感じた瞬間から、信頼を深め、サービスへの満足度が自然と高まっていきます。

 

顧客満足度向上の鍵は「説得」ではなく「共感」

従来の健康指導では、「〇〇を食べましょう」「週に〇回運動しましょう」といった一般的なアドバイスが主流でした。しかし、それでは「なぜ自分がそれをやらなければならないのか」という疑問が残ってしまいがちです。

遺伝子情報を活用することで、「あなたの遺伝的体質はこういった傾向だから、こうなりたいなら週に〇回、これくらいの強度の運動をプラスしましょう」のように、“自分事化”を促す指導ができます。この共感こそが、消費者のモチベーション維持や長期的な継続利用を支える要素となり、ひいてはLTV(顧客生涯価値)の向上にもつながると考えています。

 

業務用遺伝子分析の専門性が果たす役割

そこで重要なのは、遺伝子検査を「診断ツール」として使うのではなく、「提案のための情報源」として活用することです。

管理栄養士、パーソナルトレーナー、エステティシャン、スポーツドクターなど、それぞれの専門分野における知見と組み合わせることで、初めて「意味ある活用」が可能になります。

 

「選ばれる理由」は個別最適化にあり

昨今では、遺伝子検査を「ただ導入しただけ」では差別化になりません。重要なのは、「体質情報に基づいた個別化されたサービス設計」ができるかどうか。つまり、検査結果を誰にでも同じように解釈・提供するのではなく、専門家自身のノウハウに沿って構築することが必要です。

この“構築”のプロセスこそが、サービスに対する信頼性と独自性を支える土台となります。画一的なアドバイスではなく、その人ならではの背景や目標に合わせて丁寧に設計された提案は、他では得られない体験価値を生み出します。

 

遺伝子情報は“新たな引き出し”

遺伝子情報ですべてを決めることはできませんが、「今まで気づかなかったことが分かる」きっかけとしては、とても有効であると思います。

その情報をどう読み解き、どう提案につなげるかは、現場の専門家次第です。だからこそ、単なるキット販売ではなく、各サービスに合わせたカスタマイズ性や運用サポート体制の整備が、今後のヘルスケアビジネスにおいて決定的な差別化要因になるのです。

 

おわりに

顧客満足度を高めるためには、「信頼感」と「納得感」が不可欠です。

遺伝子検査はその両輪を支える力強いツールとなり得ますが、重要なのは、どのように活用するかという“目線”です。

私たちグリスタは、単に情報を提供するのではなく、それを活かし、消費者にとって「意味ある提案」へと昇華させるサポートを行っています。

個別最適化されたヘルスケアを通じて、より深い満足と継続的な信頼を育むために、これからも進化を続けてまいります。

 

 

今日のIDENSIL情報局は以上です。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

株式会社グリスタは個別化ヘルスケアに特化した遺伝子分析サービス「IDENSIL」の開発メーカーです。

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株式会社グリスタ 代表取締役 斎藤 利

株式会社グリスタ 代表取締役 斎藤 利

1979年生まれ/和歌山県出身/工学修士学生時代は竜巻のメカニズムを研究。2010年バレーボール個人指導スクール設立をきっかけに、個人の体質によるパフォーマンス影響に着目。2015年より遺伝子業界へ。2018年、日本で初めて専門事業者の指導やヘルスケアソリューションを個別化することに特化した業務用遺伝子分析サービス「IDENSIL」を開発・リリース。内閣官房が進めるレジリエンスジャパン推進協議会のWG委員選出や自治体との連携、日本を代表するトップアスリートの指導者への遺伝子情報提供を通じ、ヘルスケアから美容まで幅広い個別化に携わっている。

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