骨を強くする助っ人栄養素とは?ビタミンD編
こんにちは。栄養士の正能優子と申します。
フリーランス栄養士として27年、高齢者の介護予防事業や、保健センターで乳幼児の栄養相談をしています。
前回お話しましたコツコツ貯金に役立つ「カルシウム」は、しっかり摂れていますか?
前回コラム>>>「骨密度を下げないために食事でできるコツコツ貯金」
吸収率の高い食品の代表として「牛乳」をあげましたが、お腹がゆるくなるなど体質に合わない場合はヨーグルトやチーズでももちろん大丈夫です。
プレーンヨーグルトに同量程度の100%ジュース(オレンジかパインがオススメです)を混ぜてラッシー風に・・・・・とても美味しいので、ぜひ、お試しください。
カルシウムの吸収を助ける助っ人栄養素ビタミンD
さて、そんな骨の材料になるカルシウムの弱点は吸収率の低さですが、腸管での吸収を助けてくれるのが「ビタミンD」。まさしく助っ人ですね。
カルシウムとビタミンDは合わせて摂るようこころがけるとよいですね。せっかく摂ったカルシウム、しっかりと吸収させましょう。
活躍が期待できる「ビタミンD」は、鮭やさんま、しらす干し、干ししいたけなどに多く含まれます。
6~9月が旬の生きくらげも期待できそうです。
また、「ビタミンD」は、生活の中で紫外線を浴びることで体内でも作られます。
地球温暖化によるオゾンホールから入ってくる有害紫外線が問題になっていますが、適度な日光浴は骨の健康にとても役に立ちます。
夏なら暑さを避け、木陰で30分程度過ごすだけで十分だと言われています。上手に紫外線とも付き合っていきましょう。
特に屋内で過ごすことの多い高齢者などは、食事からも積極的に「ビタミンD」を摂るようにしたいですね。
そしてひとつお得な情報を!しいたけは日光にあてると「ビタミンD」が増えるのです。自家製干ししたけ感覚で、食べる前に日光浴をさせてみてください。美味しさも栄養もアップ。
また、傾向として、「ビタミンD」は野菜や穀物、豆、芋類にはほとんど含まれていません。やはり魚類に多く含まれているようです。
1日1回は「魚類」を食べる習慣をつけましょう。まずは、ここから始めてみましょう。
健康寿命を延ばすために
年齢を重ねていくうちに動くペースがゆっくりになっても大丈夫、それは自然な変化です。
大切なのはいつまでも“自分で動く”パワーを維持すること。
そのために大切なもの、それは体を支える骨です。
そんな大切な骨の代謝に関する遺伝子であるVDRにリスクがあると、ビタミンDの吸収が苦手になり骨密度が下がり骨粗鬆症になる可能性が高くなってしまいます。
それを防ぐためにも、やはり食事はとても大切ですね。

正能優子
栄養士/介護食士/健康咀嚼指導士 長女の子育てに悩んで駆け込んだ保健所でスカウトされ早27年。介護事業や栄養相談などに携わる。実は非常に深い、プライベート感満載の「個人の食」。問題解決のきっかけを必ず持ち帰れるようこころがけている。こどもに限らずシニアの食育の機会も多い。調理師学校で教鞭をとる