今、私たちに足りない物・・・(1)
管理栄養士の鈴木洋子です。
食品の豊富な現代、私たちに足りていない栄養素は何だと思いますか?
それは、栄養を補うものではなく、栄養を排泄する栄養素だと考えます。
多くの食生活を見てきて感じることは、その時だけを考えたとりあえずの食事が多い事を感じます。とにかく時間のない中での食事であり、時間的に余裕のある夕食だけが唯一食事と言える方が多いでしょう。
では、足りない栄養は何か?それは<食物繊維>であり、第六の栄養素とも言われています。
食物繊維は1日にどれだけ必要か?
食物繊維の1日に必要な食事摂取基準は、成人男性で20g、女性で17gです。(2015年日本人食事摂取基準より)
食物繊維の種類
食物繊維には大きく分けて2種類あります。水溶性食物繊維と不溶性食物繊維です。
《水溶性食物繊維》
海藻・野菜・果物・こんにゃくなどに多く含まれています。ねばねばした野菜や海藻はより水溶性食物繊維の多い食品と言えるでしょう。
《不溶性食物繊維》
穀類・豆類・いも・野菜・きのこに多く含まれています。精製されていない穀類は不溶性食物繊維の宝庫です。
食物繊維の働き
水溶性食物繊維も不溶性食物繊維もどちらも体内には吸収されませんが、健康の為に重要な働きをすると言われています。
《水溶性食物繊維》
水に溶けるとゼリー状になり、小腸内で栄養素やコレステロールの吸収に影響をします。また、胆汁酸を吸収して再吸収を防ぐので、コレステロールを下げる働きがあります。
《不溶性食物繊維》
大腸内で水分を吸収し、便のカサを増やし、便排泄を促します。
食物繊維は食べる事で排泄を促す唯一の食品です。よく野菜を1日350g摂るように言われますが、野菜を350gとってもよほど気を付けなければ食物繊維の必要量は取れません。野菜350g程度では必要量20・17gの7割程度ではないでしょうか・・・
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鈴木洋子
自分が健康になりたいから栄養士に、やっぱり食事が1番と思いつつ、出来ない事はできないかと、ずぼらな自身の性格を武器に、寄り添う栄養ケアをモットーにしています。10年続いた料理教室もいい加減に楽しく、美味しく、同じ釜の飯をみんなで食べる事を大切にしています。