糖質と血糖値コントロール(2/5)~インスリンについて
大いなる和の国の榮養研究所の熊谷です。
管理栄養士&JSセラピストとして誰もが持っている「元氣になる力」や「なおる力」などの『生き抜く力』(自分を守る力、大切な人を守る力、未来を切り開く力)を引き出すお手伝いをさせていただいています。
血糖値コントロールと糖尿病
前回は「糖質の種類と特徴」、そしてそもそも人間のあらゆる仕組みが『飢餓』でも生き延びることを前提に創られているという観点から書かせていただきました。
前回コラム>>>「糖質と血糖値コントロール①〜糖質の種類と特徴」
今回は現代人の多くが抱えている問題点の一つ「血糖値コントロールと糖尿病」について、そしてそれに関わる遺伝子について書かせていただきます。
血糖を細胞に取り込む唯一のホルモンがインスリン
「糖質」の最小単位である「グルコース」は人間が生きて活動する上で必要な『燃料』です。
自動車であれば「ガソリン」、身の回りの家電製品では「電気」と同じ人体の動力源です。
これが不足すれば生活活動はもとより思考や意欲、そして生命維持もままならない・・・という状態に陥ることもあります。
それだけ重要な栄養素ですので、人体には血糖を維持する(血糖値を上げる)ためのホルモンや機構はたくさん用意されています。
ところが、この血糖を細胞に吸収する(血糖値を下げる)のは膵臓から分泌されるインスリンというホルモンのみに頼っているのが現実だと言っても過言ではありません。
そのため、人体にとって「想定外」とも言える現代の「飽食」の時代では血糖が血液にたくさん残っている状態(高血糖)になりやすく、それによる弊害が出るようになりました。
その代表例が「糖尿病」なのです。
GI値という指針
GI値とはグリセミックインデックス/グリセミック指数のことで、血糖値が上がるスピードを現した数字です。
高GI値の食品は血糖値の上がるスピードが速く、低GI値の食品は血糖値の上がるスピードが遅いということになります。
血糖値の上がるスピードが速ければそれだけ「インスリン」が早くたくさん必要になります。
ラッシュ時の駅のホームは人であふれかえっていますが、高GI値の食品を食べると血液中が糖のラッシュアワー状態になっているようなものなのです。
そして、何とか車両の中に乗車希望のお客様を詰め込もうと頑張る駅員さん、ホームにあふれてくるお客様を上手く誘導する駅員さんがまさしく「インスリン」なのです。
ある一定時間の中で大量のお客様を滞りなく運び、コントロールするインスリンを指揮管理しているのが膵臓であり自律神経系になるのです。
血糖値になるスピードが速ければ速いほど體(からだ)の各機関が担う負担が大きいのは一目瞭然だと思います。
一日中ラッシュアワー状態の駅では車両の消耗はもちろん、駅の設備的な消耗に加えそこで実際に働く駅員さん、更にその駅員さんを指揮管理している管理職の方々・・・などなどの負担が大きくなります。
結果として體全体に支障をきたす『糖尿病』という病気に至るリスクが高まるわけです。
ですから、食生活を見直し、體の負担を軽減することで自分に授けられた「からだ」を長い期間、良好な状態に維持することが可能になるわけです。
また、遺伝子検査を通じてインスリンを作る働きに関するリスクやインスリンの能力に関するリスクの有無が分かりますので、更に細かく食生活をどのように管理コントロールするとより體の負担を減らせるのか?が明確になります。
こうして【基本の食の「型」×遺伝子検査でオーダーメイド型の栄養指導】が実現していくのですね。
次のコラムへ>>>「糖質と血糖値コントロール(3/5)〜夏に気を付けたい清涼飲料水と血糖値」

熊谷隆
熊谷隆(くまがい たかし) 大いなる和の国の榮養研究所 主宰 管理栄養士、JSセラピスト 「施術」「和の榮養教室」「食生活の最適化支援」による 【JSプログラム】で「元氣に未来を切り開く強さ」を取り戻す支援に従事している。