脂質の役割とコレステロールについて(1/2)
大いなる和の国の榮養研究所の熊谷です。
管理栄養士&セラピストとして『健康づくりの家庭教師』(誰もが本来持っている「なおる力(治る力と直る力)」を復活させて「生き抜く力」「大切な人を守る力」「未来を切り開く力」を引き出すお手伝い事業)活動に尽力しています。
体質情報を基にオーダーメイド型の「食カウンセリング」や「整体メニューの提案」を行っています。
脂質の役割と問題点
現代の日本人が抱えている食生活の問題点を管理栄養士として一つ挙げてほしいと言われたら、わたしは間違いなく戦後の日本人の「脂質」摂取量の増加を挙げます。
簡単に説明しますと、戦後1955年から1960年頃から日本人の食生活は一気に変化します。
脂質という観点から見ますと戦後の40年あまりで脂質の摂取量は約3倍になりました。
その分、日本人が古来から主食として大切に扱ってきた「お米」の摂取量も激減(約半分)しました。
脂質は
「細胞膜の材料」
「ホルモンの材料」
「核膜の材料」
として大変重要な役割を持っています。
更に皮下脂肪は「臓器を守り、保護する」役目がありますし、體(からだ)を寒さから守ってくれる役目もあります。
また、脂溶性ビタミンのビタミンA、D、E、Kの吸収を促進するなど大変重要な役割を持っています。
臨時の燃料としての役目も併せて大変重要な役割を持っている「脂質」ですが、戦後の数十年でその摂取量が3倍にもなると體が対応しきれなくなります。
まずはこの過剰な摂取量をコントロールすることがとても重要だとわたしは考えています。
コレステロールについて
IDENSILでは「コレステロール」に関する検査項目があります。
HDLコレステロール(善玉コレステロール)の活性度やLDLコレステロール(悪玉コレステロール)の活動についてどのような体質を持っているのか?を知ることができます。
そもそもコレステロールとは脂質の一種で血液中だけでは無く、脳や内臓、筋肉など全身に広く分布されていて「細胞膜」「ホルモン」「胆汁(脂肪の消化吸収を助けるもの)」などの材料です。
そして、大きさや比重によってHDLコレステロールとLDLコレステロールなどに分類されます。
LDLコレステロールは肝臓から出発して全身の各細胞にコレステロールを運ぶ役目があり、HDLコレステロールは全身の細胞から余ったコレステロールを回収し肝臓に届ける役目があります。
その働きから善玉とか悪玉とか呼ばれているわけです。
役割を知って適切に
脂質の役割をこうして整理すると「燃料」よりも材料としての役目が大きいということが見えてきます!
糖質の時にも書かせていただきましたが、脂質は「材料」であり燃料としてはあくまで【臨時】であると理解しておきましょう!!
しかし、脂質で一番難しいのは「旨い」ということだと言えます。
読んで字のごとく「からだ」(「月」は「にくづき」、體を意味します)が「旨い」と書いて「脂」ですから。
美味しいものの食べる量をコントロールするのはとても難しいですよね。
感覚、感情をコントロールするには「知識」はとても大きな力となってくれます。
脂質は過剰に摂取し続けると「動脈硬化」「脳出血」「脳梗塞」「心筋梗塞」といった重篤な病の原因になると言われています。
脂質の良い面、良くない部分をしっかりと認識したうえで適切な距離感を保つことが大切ですね。
なかなか自力でのコントロールが難しい場合は専門家にアドバイスしてもらうことも有効だと思います。
次のコラムへ>>>「コレステロール(脂質)の管理について②」

熊谷隆
熊谷隆(くまがい たかし) 大いなる和の国の榮養研究所 主宰 管理栄養士、JSセラピスト 「施術」「和の榮養教室」「食生活の最適化支援」による 【JSプログラム】で「元氣に未来を切り開く強さ」を取り戻す支援に従事している。