コレステロール(脂質)の管理について(2/2)
大いなる和の国の榮養研究所の熊谷です。
管理栄養士&セラピストとして『健康づくりの家庭教師』(誰もが本来持っている「なおる力(治る力と直る力)」を復活させて「生き抜く力」「大切な人を守る力」「未来を切り開く力」を引き出すお手伝い事業)活動に尽力しています。
体質情報を基にオーダーメイド型の「食カウンセリング」や「整体メニューの提案」を行っています。
おさらい~脂質(コレステロール)の役割と問題点
まず最初に脂質の役割は「材料」であり「燃料」としては臨時の役割だということを思い出してください。
前回コラム>>>「脂質の役割とコレステロールについて」
脂質の役割
・細胞膜の材料
・ホルモンの材料
・核膜の材料
・胆汁(脂肪の消化吸収を助けるもの)の材料
・皮下脂肪は「臓器を守り、保護する」
・體(からだ)を寒さから守ってくれる
・脂溶性ビタミンのビタミンA、D、E、Kの吸収を促進する
・LDLコレステロールは肝臓から出発して全身の各細胞にコレステロールを運ぶ
・HDLコレステロールは全身の細胞から余ったコレステロールを回収し肝臓に届ける
材料であるならば不足した分、消耗した分を補う量で充分だということが分かります。
燃料としてエネルギー源として確保しなければならないと思うと大量の摂取が必要と考えてしまいますが、その必要はありません。
脂質は過剰に摂取し続けると以下の病にかかるリスクが高くなると言われています。
▼動脈硬化
▼脳出
▼脳梗塞
▼心筋梗塞
PFU比率の理想的な割合
PFC比率というものがあります。
一日の総エネルギー摂取量を三大エネルギー源である「糖質」「脂質」「タンパク質」をどのような比率で摂取するとバランスが良いのか?という指針になっているものです。
一般的には
糖質(C)が50%
脂質(F)が30%
タンパク質(P)が20%
と言われています。
しかし、わたし個人としては日本人なら
糖質(低GI値の主食となるでんぷん)60%
脂質20~25%
タンパク質15~20%
で良いのでは?と考えています。
これを一つの指針に普段の食生活を組み立ててみるのが良いのではないでしょうか?
食の欧米化が問題なら和食に戻せばいい
そもそも戦後日本の食生活において脂質の摂取量が3倍にもなってしまったは、日本人の「米離れ」とそれに代わって肉類などの動物性食品が多くなったことが原因だとわたしは分析しています。
一言で言うならば「食の欧米化」です。
日本と欧米では気候風土にかなりの違いがあります。
年間を通じて温暖で四季折々の食材を生産できる農耕民族の日本と寒冷地帯で種類の豊富な農作物を作ることのできない地域ではおのずと食生活や食文化は異なります。
極端な例ですが、北極や南極のようなところでは「日本と同じ季節ごとの旬の食材を食べましょう」という食生活指針は全くナンセンスです。
その土地、その地域で採れるもの最大限に生かしてその地域で生きていく知恵がその地域の食文化として確立して行くものです。
高度経済成長を背景に食は欧米化の一途をたどったわけですが、すでに日本人の健康的な生活にそぐわないという結果が出てきている以上、このまま放置しておくことはできません。
週末の楽しみとして世界の食文化を楽しみながら普段の食事は日本人らしい和食に戻すのが一番簡単で一番早い改善方法では無いでしょうか?
「ご飯」と「味噌汁」というスタイル
和食といっても料亭の和食ご膳などではありません。
「ご飯」と「味噌汁」そして「季節の食材」というシンプルなスタイルを見本に実践実行しやすい「型」を探していくのはどうでしょうか?
ご飯も白米だけでなく、玄米や発芽玄米、最近ではもち麦もブームですし併せて雑穀を混ぜるのも良いでしょう。
主食を見直し、主食を充実させることで最適な燃料である「糖質(でんぷん)」を確保しつつ食物繊維やビタミン、ミネラルをしっかり確保できれば「おかず」はそれを補うもので充分となります。
主婦の方々の負担も減りますし、その分余裕をもって「食卓での時間」を楽しむことができるようになるかもしれません。
とはいえ、自炊をしたことの無いかたや調理が苦手、献立をどのように考えていいのか?全く分からない!!という方もいらっしゃることでしょう。
そのような方々の食生活の最適化をお手伝いするのが栄養士の役割です。
「どうにかしたいけどどうして良いかわからない!」そんな時はお気軽に栄養士に相談してみてくださいね。

熊谷隆
熊谷隆(くまがい たかし) 大いなる和の国の榮養研究所 主宰 管理栄養士、JSセラピスト 「施術」「和の榮養教室」「食生活の最適化支援」による 【JSプログラム】で「元氣に未来を切り開く強さ」を取り戻す支援に従事している。