田中美由紀

  • ヘルスケア
  • 未病

血糖値を急激に上げにくい食事方法とは?(2/2)

こんにちは。管理栄養士の田中美由紀です。

高精度遺伝子分析サービス“イデンシル”では、「血糖値が上昇しやすいか」について自分の体質を確認できる項目があります。

食後に血糖値が急上昇して(食後1~2時間程度に血糖値が140mg/dL以上になる)、その後急降下することを「血糖値スパイク」といいます。
この激しい血糖値の変動によって、食後に眠気や頭痛などを感じることもあります。この状態が続くと、2型糖尿病にかかる可能性も高くなったり、動脈硬化(血管の壁が硬くもろくなったり、狭くなったり、曲がったりすること)の原因にもなります。動脈硬化は様々な病気を引き起こします。

血糖値の調整には、インスリンが重要ですが、このインスリンがうまく作れない体質の方もいます。
日本人を含むアジア人は欧米人に比べ相対的にインスリンの分泌量が少ないことが知られています。

 

 

早食いは血糖値が上がりやすい

インスリン(血糖値を下げるホルモン)は、食事によって血液中のブドウ糖が増え始めることによって分泌され始めます。食べ方が早すぎると、インスリンの分泌が、血液中のブドウ糖が増えるスピードに間にあわず、食後に血糖値が上昇しやすくなります。

これにより、糖尿病のリスクも高まります。食後に血糖値が急上昇すると、膵臓は短時間で必要なインスリンを分泌しなくてはならなくなってしまい、膵臓に負担がかかります。

膵臓が疲れてしまうと、インスリンの分泌量が減少したり、分泌されても十分に機能しなくなったりなどの問題が生じて、血糖値をコントロールできなくなる可能性が大きくなります。

 

早食いは満腹感を感じにくくなる

満腹感は、脳の視床下部にある満腹中枢からの信号により得られます。
食べ物を摂取すると血液中のブドウ糖(血糖)の量が増加し、血糖値が上昇します。それによってインスリンが分泌され、インスリンの刺激を受けた脂肪細胞からレプチンという物質が分泌されます。レプチンは、血流にのって脳の視床下部にあるレプチン受容体へ届き、満腹中枢を刺激します。そうすると満腹感が生じ、食欲は抑えられます。(通常は食欲を抑える働きをしますが、肥満が進むとレプチンの分泌量が相対的に少なくなり、レプチンの働きは悪くなっていきます。)

また、このレプチンには交感神経を活性化させて脂肪を燃やし、エネルギーの消費を促すことで肥満を抑制する働きもあります。
レプチンが視床下部に伝わるのは食事をはじめてからおよそ20〜30分後以降です。食べるスピードが早いとレプチンが視床下部に十分に伝わり、満腹感が感じられる前に、食べる量が多くなってしまい、食べ過ぎてしまう傾向にあります。

ゆっくり食べて、このレプチンをうまく働かせれば、満腹感を得やすくなり、食べる量が減ります。食べる量が減れば、血糖値の上昇も抑えられます。

また、レプチンによりエネルギーの消費が促されるので、余分なエネルギーが蓄積されるのも防げることになります。

 

ゆっくり食べるためにはどうしたら良いの?

よく噛んで食べることで、必然的に食事のスピードは落とせます。

〈よく噛んで食べるために、気を付けると良いこと〉

  • 一口の量を減らす
  • 一口ごとに箸を置く
  • ながら食いをしない、よく味わって食べる
  • 飲み物で流し込まない
  • 丼ものや麺類などの飲み込みやすいものは、特に意識する
  • 歯ごたえのある食材や食物繊維の多い食品を選ぶ

 

 

忙しい毎日ですが…
食事の時間をしっかり確保することで、ご自分の体を守ることができるのかもしれません。
ゆっくり食事をして、「血糖値スパイク」を予防していきましょう。 

 

 

田中美由紀

田中美由紀

『食事から、自分自身を大事にしてほしい』という思いで、管理栄養士の活動をしています。日本抗加齢医学会所属、アンチエイジングで老若男女、健康的な生活を送ってほしいという願いを持っています。 趣味は、薬膳料理。国際薬膳師、フードコーディネーター。

関連記事