田中美由紀

  • ヘルスケア
  • 健康促進
  • 未病

ストレスに強くなるための食事とは?

こんにちは。管理栄養士の田中美由紀です。

高精度遺伝子分析サービス“イデンシル”では、ストレスを感じやすい・溜めやすいかについて自分の体質を確認できる項目があります。

私たちの心身の全体をゴムボールに例えた場合、ボールに外から加わる力がストレッサー、そこで生じるへこみがストレスです。ボールに外から加わる力に対して、ボールが内側から押し返して元に戻ろうとすることがストレス反応です。

ストレス反応には、心理面や、身体面に出るものの他に、お酒やたばこの量が増えたり、せっかちになったり、じっとしていられなくなるなど、行動面に出ることもあります。

ストレスを溜めたくなければ、ストレッサーを減らせば良いのですが、現代社会の生活のなかでは、そういうわけにもいきません。ストレス解消しようとしても一線を越えれば、別のストレスを溜めることになってしまったりもします。

ストレスマネジメント(ストレスを自覚してそれと上手に付き合っていくこと)の方法はたくさんありますが、食事の面からも気を付けることが出来ます。

 

 

低血糖症とは…

以前のコラムで、食後に血糖値が急上昇して(食後1~2時間程度に血糖値が140mg/dL以上になる)、その後急降下する「血糖値スパイク」のことをお伝えしました。

>>>「血糖値を急激に上げにくい食事方法とは?(1/2)」

これを繰り返して、膵臓が正常に働かなくなった場合、必要以上に血糖値を下げてしまったり、低いままで留まったりする低血糖症のリスクがあります。

低血糖時には、血糖値を維持するため6~7種類のホルモンが分泌されます。低血糖症は、このホルモンの調整能力が正常ではなくなり、過剰に分泌されて、様々な精神的・身体的症状を引き起こすものです。

精神的・神経的な症状は、攻撃的になる、うつ的な感情が起こる、感情の抑制が出来ない、判断の統合が出来ない、自律神経失調症、完全主義になる、幻聴や幻覚が起こる、不眠や悪夢を多く見るようになる、キレて止まらない、過食や拒食が起こりやすくなるというようなものです。

身体的な症状は、交感神経が緊張し、身体と心の緊張と興奮を引き起こすというものです。

以上のように、精神的に不安定になったり、神経的に過敏になるので、心理ストレスが増え、ストレスに耐えることが難しくなってしまいます。

予防する食事については、「血糖値を急激に上げにくい食事方法とは?その①、その②」をご参照下さい。

>>>「血糖値を急激に上げにくい食事方法とは?(1/2)」

>>>「血糖値を急激に上げにくい食事方法とは?(2/2)」

 

 

ストレスと神経伝達物質

 

 

ストレスにはセロトニン、アドレナリン・ノルアドレナリンという神経伝達物質が関係しています。
気分の落ち込みはセロトニン不足、無気力はアドレナリン・ノルアドレナリン不足が原因となります。

脳は大量のセロトニンやアドレナリンを作って、ストレスや気分の上がり下がりに対処するのですが、ストレスが増えるとこれらの神経伝達物質を作る栄養素が不足しやすくなります。

トリプトファンというアミノ酸がセロトニンの原料で、フェニルアラニン、チロシンというアミノ酸がアドレナリン・ノルアドレナリンの原料です。

トリプトファンは脳内でセロトニンとなる際、ビタミンB群、ビタミンC、亜鉛を使います。また、フェニルアラニン、チロシンが脳内でアドレナリン・ノルアドレナリンとなる際、ビタミンB群、ビタミンC、葉酸、マグネシウム、マンガン、鉄、銅、亜鉛を使います。
またDHA 、特にEPAはセロトニン、アドレナリンなどの受容体の能力をアップさせます。

脳内でトリプトファンがセロトニンになるには、血液に溶けているトリプトファンが血液から脳関門を通過して、脳内に入ることが必要です。

たんぱく質の多すぎる食事は、血中のトリプトファンの濃度は増加させますが、トリプトファンの脳内への取り込みを邪魔するアミノ酸(ロイシン、イソロイシン、バリンなど)を増加させるので、脳内のトリプトファンの増加は少なくなります。

一方、炭水化物をしっかり摂る食事をすると、炭水化物が血中の多種のアミノ酸の濃度を調整し、脳へのトリプトファンの取り込みが促進され、脳内のトリプトファンが増加します。その結果、セロトニン量も増えます。

つまり、どのような食事が良いかというと、主食の量をしっかり確保した、主菜は魚中心の、主食、主菜、副菜、果物の揃ったバランスの良い食事を摂ることです。

栄養素でいうと、主食(ご飯、パン、麺類)は炭水化物、主菜(魚、肉、卵、大豆製品)はたんぱく質、副菜(野菜、海藻、キノコ類)はビタミン、ミネラル、食物繊維、果物はビタミンCの供給源となります。

たんぱく質はアミノ酸(トリプトファン、フェニルアラニン、チロシンなど)の原料、魚はDHA 、EPAを含んでいます。

 

食事内容や、食べ方に気を付けて、ストレスに強い心身を作っていきましょう。

 

 

 

田中美由紀

田中美由紀

『食事から、自分自身を大事にしてほしい』という思いで、管理栄養士の活動をしています。日本抗加齢医学会所属、アンチエイジングで老若男女、健康的な生活を送ってほしいという願いを持っています。 趣味は、薬膳料理。国際薬膳師、フードコーディネーター。

関連記事