代謝をサポートして有害物質を除去するために必要なビタミン〜老化を予防する〜
こんにちは。管理栄養士の中岡浩子です。
未だ終わりのみえない新型コロナウイルスとの闘い。長引く「Withコロナ」生活に梅雨明けから連日の異常な暑さも加わり、心も体も疲労が蓄積されてはいませんか?
代謝が悪くなると疲労物質が上手く抜けず、身体に様々な悪影響を及ぼして体の老化に繋がります。
今回は脳や血管老化に関わる「MTHFR」という遺伝子によるリスクについてお話したいと思います。
特にこの項目にリスクがあった方は、食事の取り方など参考にしてみてください。
血液中に蓄積されると有害なホモシステイン
ホモシステインとは血液中に存在するアミノ酸の一種で、必須アミノ酸であるメチオニンの代謝でできる中間生成物です。
血液中に蓄積されると神経細胞と血管細胞を障害するので、心疾患等の危険因子になり得るとも言われています。
「MTHFR」という遺伝子にリスクがあると、ホモシステインがメチオニンに上手く代謝されずに血中ホモシステイン濃度が上がりやすくなってしまいます。
有害なホモシステインを有益なメチオニンに変えるには、代謝を手助けする「葉酸」「ビタミンB12」「ビタミンB6」が必要になります。
ホモシステイン濃度が上昇すると・・・
血中ホモシステイン濃度が上がると血中のLDLコレステロールと結合し、さらに活性酸素により酸化された酸化LDLは血管壁に付着して動脈硬化を促進します。
血管が傷つき老化が進むと、脳の疾患や認知症にも影響を及ぼします。
またコラーゲンの低下も起こりやすくなり、しわやたるみなどの肌老化や、骨コラーゲンの劣化により骨折しやすくなったり関節が弱くなりやすい、骨粗鬆症になりやすい、といったことにもつながります。
ホモシステイン濃度は、コーヒーの飲みすぎや喫煙、加齢、閉経などによっても上がりやすくなりますが、代謝に関わる栄養素を充分に摂取することがとても大切です。
栄養素の重要な役割
ホモシステインの代謝には、葉酸、ビタミンB12、ビタミンB6が関与しています。
葉酸
ビタミンB群の一種で、ホモシステインからメチオニンへの変換に必要で不足するとホモシステインが蓄積してしまいます。
レバーや緑黄色野菜、海藻類や豆類に多く含まれますが、光や熱に弱く酸化しやすく保存や調理で損失しやすいので、食事で十分に摂取できない時はサプリメントを利用するのも良いでしょう。
ビタミンB12
不足するとホモシステインからメチオニンへの代謝が阻害され、ホモシステインが蓄積されます。
ビタミンB12はレバーや魚介類、海藻類ではとくにのりに豊富に含まれています。水溶性なので豊富に含む貝類からは汁物で摂ることがおすすめです。
ビタミンB6
不足するとホモシステインからメチオニンへの代謝が阻害され、ホモシステインが蓄積されます。
ビタミンB6はレバーや鶏ささみ、マグロやカツオ、鮭、サバ、さんまなど身近な魚に豊富です。
植物性食品ではにんにくに非常に多く含まれています。
ビタミンB6は100種類以上の酵素の補酵素として働き、特にアミノ酸代謝に関与していて、たんぱく質の分解や合成の過程をサポートしています。よって、たんぱく質の摂取量の増加によって必要量も増加します。

葉酸摂取のために毎日の食事にのりを追加してもいいかもしれませんね
血中ホモシステイン濃度の上昇は体に様々な悪影響を及ぼし、神経や血管の細胞を傷つけて病気を引き起こします。
しかし代謝を促進させて有害なホモシステインを体に有益なメチオニンに変えることが出来れば病気や認知症の予防、骨の維持にも繋がります。
上記に示した必要な栄養素のほか、酸化を防止する抗酸化食品なども積極的に摂り、体の老化を予防しましょう。

中岡浩子
はじめまして。8月よりコラムを担当させて頂くことになりました管理栄養士の中岡浩子です。 3人の子供の子育てに奮闘しながら、日課である早朝ランニングでストレス発散と体力維持に努めています!